内容説明
東大留学、大使館勤務、国交断絶。裏切り者―国民からそう呼ばれても、成し遂げなければならないことがあった。日本との貿易赤字、米国からの圧力、緊迫する中国との「両岸関係」。戦後の台湾経済躍進の中心的役割を担った男は、いかにして困難に立ち向かったのか。自らの半生を辿りながら、数々の歴史的交渉の舞台裏を明かした白熱のドキュメント。
目次
第1部 祖国を離れて日本、南アフリカへ(飢えと戦乱の中で;日本へ;南アとの貿易強化に動く)
第2部 日本は同志か?宿敵か?(日台経済交流の最前線で;国交のない恥辱に耐え;バイからマルチの経済関係へ)
第3部 国際的地位確立に向けて(三大プロジェクトの挑戦;台湾機械民営化事業と原子力発電;“経済貿易特使”として;APECで中国と対決)
第4部 台湾の未来と両岸関係正常化の選択(官界から政界へ;破氷から和平へ;両岸トップ会談;両岸経済交流さらに拡大;海峡交流基金会を去る;日台交流に懸ける)
著者等紹介
江丙坤[コウヘイコン]
1932年台湾南投県生まれ。東京大学農学博士。駐日本大使館、南アフリカ大使館勤務を経て、1982年から台湾経済部で対日貿易不均衡問題に取組み、1996年日本の経済産業大臣にあたる経済部長に就任。2001年から立法院で2期約6年国政に携わった後、中国との交流の窓口である海峡交流基金会会長を4年間務め、台・中の経済関係の発展に尽力。現在は中国信託金融ホールディング最高顧問、2014年から東京スター銀行取締役会長として台湾と日本を行き来している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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