中世研究<br> 「原罪論」の形成と展開―キリスト教思想における人間観

個数:
  • ポイントキャンペーン

中世研究
「原罪論」の形成と展開―キリスト教思想における人間観

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ A5判/ページ数 352p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784862853431
  • NDC分類 191.3
  • Cコード C3010

内容説明

キリスト教における人間観の根幹は「神の像としての人間」である。そこでは「像」という人間の限界とともに、「神の」像としての人間の尊厳もまた謳われている。しかし西方教会では、「神の像」としての人間の自然本性が毀損、破壊され、人間は自ら罪を犯す前にすでに原罪を負うていると理解されてきた。原罪の教義はアウグスティヌスの原罪理解の影響のもとでの古代の教会会議の諸決定が、トレント公会議(1546年)の「原罪についての教令」で追認される。だが、キリスト教の原罪理解と人間観は、18世紀の啓蒙主義的人間観と19世紀の進化論の登場を経て後退し、生物学的観点やジェンダー論、フェミニスト神学の現代的視点からも批判が上がっている。しかし今日、圧倒的な技術力を手にした人間が、凄まじい殺戮と破壊をもたらしている現実は、原罪論がもつ人間観を改めて問い直すことを要請し、その考察は神学のみならず広く人文研究の責務と言えよう。本書はアウグスティヌスからアンセルムス、トマス、オッカム、またテルトゥリアヌスやオリゲネス、ペラギウスおよび原罪が教義とされていない東方教会の状況を考察、さらにビンゲンのヒルデガルトや十字架のヨハネなど多岐にわたる原罪論に光をあて再考する。技術の先端化や貧富の格差、グローバル化など混迷する現代において「人間とは何か」を問う試みである。

目次

1 樹の実の誘惑と根源悪―「創世記」と『告白』の物語りに拠る
2 霊魂伝遺説と原罪―テルトゥリアヌスの魂概念を手掛かりとして
3 アウグスティヌスの原罪論におけるオリゲネス伝承の受容と変容
4 アウグスティヌスにおける楽園神話解釈に基づく人間観の形成―「嘘」の概念に注目して
5 ペラギウス派による原罪論批判の本質と女性観を巡る課題―悪は「善の欠如」であるか?
6 十一‐十二世紀における原罪論の展開―アンセルムスからトマス・アクィナスへ
7 ビンゲンのヒルデガルトにおける原罪論の射程―『スキヴィアス』における原罪・堕罪の幻視を中心に
8 トマス・アクィナスの原罪論―彼のキリスト教的人間観の一面
9 オッカムにおける道徳の理論―原罪論を起点として
10 原罪から栄光まで―十字架のヨハネの原罪論の射程