内容説明
古代律令国家による国や郡といった行政区画の編成は、荘園制の下で再編されつつも存続し、さらには近世幕藩体制下でも機能し続けた。そして明治の廃藩置県、町村制の成立、昭和の市町村再編を経て現在に至るまで、日本の行政区域を規定する基層として影響を及ぼしている。本書は、そうした最基層である古代中世の領域編成の実態と、それにより形作られる空間的思考の両面を、歴史地理学の手法で解明した研究成果である。
目次
第1章 日本古代中世における領域研究の視角と課題
第2章 平安鎌倉期証文類にみえる空間的思考とその表現
第3章 平安期平城京域における空間利用とその管理
第4章 平城京による領域編成と中近世都市奈良の都市構造認識
第5章 八・九世紀伊勢神郡における言説としての領域性と領域編成
第6章 中世伊勢神郡における空間管理と条里絵図
第7章 境界表示としての〓示の確立と空間管理
著者等紹介
堀健彦[ホリタケヒコ]
1970年、三重県生まれ。1993年、京都大学文学部卒業。1999年、同大学院博士後期課程修了。博士(文学)。1999年より新潟大学人文学部講師。2004年より助教授。2007年より准教授。人文地理学担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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