イヌイットの壁かけ―氷原のくらしと布絵

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  • サイズ B5判/ページ数 181p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784416617687
  • NDC分類 594
  • Cコード C0072

出版社内容情報

カナダ在住の著者が30年以上にわたり集めたイヌイットアートのコレクションの中から
「壁かけ」と名付けられたアップリケ作品を収めた書籍『イヌイットの壁かけ』(暮しの手帖社、2000)の増補改訂版。

1950年代、南方から持ち込まれた病気やカナダ政府の定住化政策によって、イヌイットの生活は大きく様変わりしました。
本書掲載の「壁かけ」は、そんなイヌイットの人々が民族の誇りや、
厳しい自然環境のなかで培われた生活文化を後世に伝えていくために作りはじめた新しい伝統であり、
イヌイットの女性たちが狩りに出かける家族のために手作りする防寒着の裁縫技術を応用して作られたものです。

また、素朴でいきいきとした表現を生み出すカラフルな刺繍やアップリケは、
先進国向けに作られるダッフルコートなどのハギレや糸を活用したもので、
近代化の厳しい現実を受けとめながら、新しい時代にむけて進むイヌイットの人々の思いが一針一針に込められています。

本書では旧版に未収録だった最初期の壁かけやクリスマスの壁かけを追加収録するほか、イヌイットの人形作品も紹介します。

内容説明

旧版(『イヌイットの壁かけ』暮しの手帖社、2000年)の内容に加え「壁かけ」と「人形」のコレクションを新たに収録した待望の愛蔵版。

目次

最初期の壁かけ
夏の生活 冬の生活
ツンドラの夏
ぼくのパーカはいつ出来るの
パーカの内着
二十四の顔
犬ぞりをけたてて行く狩りの旅
力の精たち
ボール遊び
三つの犬ぞりが行く〔ほか〕

著者等紹介

岩崎昌子[イワサキマサコ]
1938年生まれ、イヌイットアート収集家。1970年、カナダへの移住をきっかけにイヌイットアートに出会い、以後作品収集を続ける。北極地方にも2度旅をし、2000年からは日本各地で収集品の展覧会を開催。壁かけや人形などのコレクションの一部は現在、北海道立北方民族博物館(網走)に収蔵されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

29
生活に手仕事を、って古臭い標語だろうか?◉どれもこれもいい。家に飾りたくなる出来栄え。ただ、この本でわかるのが作者名とサイズ程度なのは残念。作品に縫い留められた思いはほとんどが収集者の想像によるもの。それから「お土産もの(商品)」成分の含有率はどの程度なんだろう? 製作者の背景なども含めてそのあたりは北方民族博物館(網走)へ行くとわかるのでしょうか(もちろんそれが無いからといって作品の質が落ちるわけではなく、ましてや収集者の情熱を貶める意図もありません)→2019/07/07

allite510@Lamb & Wool

8
イヌイットの必需品である防寒着の、端切れや余り布で作られた壁掛けたち。素朴な色と形がなんとも「いい味」。っていうか、ぎゃー萌え死ぬ!殺す気かー!っていうくらい愛らしい。日常風景のものもいいけど、シャーマンや精霊、伝承などを描いた作品が興味深い。鳥頭が2つ生えた人間など個々の精霊も面白いが、人間の世界と動物や精霊の世界が無茶苦茶近くて、境界の無い感じが魅力的。選ぶ余地のあまり無い、限られた材料でも作らずにいられない、作ってしまうからこその味。見たら最後、次々いろんな人に見せたくなること請け合い。たまらん。2018/04/18

aof

2
人からプレゼントされた本。すごく素敵だ。今ちょうど民藝が好き!というタイミングではあるけど、それ以上に素敵。 細かな刺繍、彩り豊かなデザイン、丁寧な手仕事。世界で最も不毛と言われる木さえ生えない凍土に住む人たちが、一針一針、作っていると思うとそれだけで胸がいっぱいになる。 世界はほんと豊かだな〜。2018/12/19

kobayo

1
手もとにおいてたまに眺めたい一冊。限られた材料であるのに表現の豊かさに感心した。2018/02/07

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