出版社内容情報
多くの学生たちが歴史,文学や,思想,社会学などを学んでいるが,これら人文学を学ぶ意義とは何か?
著者たちは講義の経験や現実問題を意識しながら,日本近現代文学,思想史,フランス近世・近代史,人類学,メディア論,地理学を通して,学生アルバイトとワークルール,アイヒマン裁判の意味,そしてフランス革命と主権,アイヌ社会と暴力,さらにAI社会の未来や,過去の津波被害と地名の関連など具体的な研究を紹介し,人文学の多彩な事例を踏まえて,文化を学び,世界と繋がる道を示す。
グローバル化が進行する中で,私たちは変化し続ける文化と不確実な世界で,既存の形が崩れてゆく液状化した時代を生きている。自らのキャリアを主体的に形成し,現代社会が直面する課題に「文化」の視点から応え,他者と共に創造的な未来を切り拓くために,文化や世界をどのように語りうるのか? 今日,人文学への期待は高まっている。
福島原発事故に象徴される,人間が生み出す技術や制度,価値を制御できない状況が広がっている。私たちが未来に向けてなすべきこと,今,それが問われている。
文化を学ぶ,世界と繋がる――自分の足元から人文学をはじめよう(佐藤貴史)
第一章 『この世にたやすい仕事はない』――〈労働者になる〉ための文学的レッスン(田中 綾)
1 文化を学び,社会,そして世界に
2 文筆労働者から見る,非正規労働者の現在
3 「学生アルバイト短歌」
4 「労働基準法」を短歌形式で言語化
5 「プレカリアート文学」
6 〈兼業作家〉を経た,専業作家・津村記久子
第二章 悪を旅する――ハンナ・アーレントのアイヒマン論と良心の問題(佐藤貴史)
1 ダークな思想文化を学ぶ
2 ダークツーリズムとしての思想文化
3 ハンナ・アーレントの生涯
4 思考を停止すること――アイヒマンの行為
5 思考を開始すること――残された人間の責任
6 ダークな世界と繋がる/繋がらない
第三章 フランス革命前後の主権のあり方を考える――歴史学からのアプローチ(仲松優子)
1 主権の歴史性に向き合う
2 アンシアン・レジーム期の主権とは
3 政治参加の限定性と議会制度改革
4 フランス革命とその限界
5 主権をめぐる歴史と現在の社会
第四章 非国家社会における戦争と平和――アイヌ社会の緩衝機能を探る(手塚 薫)
1 教養の復権
2 文化接触のダイナミズム
3 チャシの出現とその背景
4 ヨーロッパ人のアイヌ観
5 狩猟採集民社会の特性
6 暴力頻度の減少
7 緊張を緩和するメカニズム
8 共感の拡張
第五章 AI時代のメディア論――マクルーハンの理論の現代的意義(柴田 崇)
1 身体論的メディア論の冒険
2 「拡張」の系譜
3 「延長」の系譜
4 「外化」の系譜
5 適用
6 身体――このあまりに人間的なフレーム
第六章 津波地名の継承と活用可能性――過去と繋がる,未来へ繋げる(村中亮夫)
1 津波地名への地理学的接近
2 研究の方法
3 地図上での位置特定
4 津波地名の行方を追う
5 津波地名の特徴を考える
6 過去から現在,未来へ
世界と繋がる,文化を学ぶ――もっと先へ人文学をすすめよう(佐藤貴史・仲松優子・村中亮夫)
人文学をはじめるためのブックガイド
佐藤貴史[サトウタカシ]
著・文・その他/編集
仲松優子[ナカマツユウコ]
著・文・その他/編集
村中亮夫[ムラナカアキオ]
著・文・その他/編集
田中綾[タナカアヤ]
著・文・その他
手塚薫[テヅカカオル]
著・文・その他
柴田崇[シバタタカシ]
著・文・その他
内容説明
多くの学生たちが歴史、文学や、思想、社会学などを学んでいるが、これら人文学を学ぶ意義とは何か?著者たちは講義の経験や現実問題を意識しながら、日本近現代文学、思想史、フランス近世・近代史、人類学、メディア論、地理学を通して、学生アルバイトとワークルール、アイヒマン裁判の意味、そしてフランス革命と主権、アイヌ社会と暴力、さらにAI社会の未来や、過去の津波被害と地名の関連など具体的な研究を紹介し、人文学の多彩な事例を踏まえて、文化を学び、世界と繋がる道を示す。グローバル化が進行する中で、私たちは変化し続ける文化と不確実な世界で、既存の形が崩れてゆく液状化した時代を生きている。自らのキャリアを主体的に形成し、現代社会が直面する課題に「文化」の視点から応え、他者と共に創造的な未来を切り拓くために、文化や世界をどのように語りうるのか?今日、人文学への期待は高まっている。福島原発事故に象徴される、人間が生み出す技術や制度、価値を制御できない状況が広がっている。私たちが未来に向けてなすべきこと、今、それが問われている。
目次
文化を学ぶ、世界と繋がる―自分の足元から人文学をはじめよう
第1章 『この世にたやすい仕事はない』―“労働者になる”ための文学的レッスン
第2章 悪を旅する―ハンナ・アーレントのアイヒマン論と良心の問題
第3章 フランス革命前後の主権のあり方を考える―歴史学からのアプローチ
第4章 非国家社会における戦争と平和―アイヌ社会の緩衝機能を探る
第5章 AI時代のメディア論―マクルーハンの理論の現代的意義
第6章 津波地名の継承と活用可能性―過去と繋がる、未来へ繋げる
世界と繋がる、文化を学ぶ―もっと先へ人文学をすすめよう
著者等紹介
佐藤貴史[サトウタカシ]
1976年生まれ。聖学院大学大学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。北海学園大学人文学部准教授。宗教学、ドイツ・ユダヤ思想史
仲松優子[ナカマツユウコ]
1974年生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。北海学園大学人文学部准教授。フランス近世・近代史
村中亮夫[ムラナカアキオ]
1977年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程地理学専攻修了。博士(文学)。北海学園大学人文学部准教授。地理学、環境学、地理情報科学
田中綾[タナカアヤ]
1970年生まれ。北海学園大学大学院文学研究科修士課程修了。同大学院で博士(文学)学位授与。北海学園大学人文学部教授、三浦綾子記念文学館館長。日本近現代文学
手塚薫[テズカカオル]
1961年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)。北海学園大学教授。人類学、民族考古学、北方狩猟採集民研究
柴田崇[シバタタカシ]
1969年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。北海学園大学人文学部教授。メディア論、技術思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 官僚制の作法