魂について―治癒の書 自然学第六篇

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魂について―治癒の書 自然学第六篇

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  • サイズ A5判/ページ数 386p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784862851413
  • NDC分類 132.2
  • Cコード C3010

出版社内容情報

イブン・シーナー(980-1037)により,11世紀初頭にアラビア語で書かれた『治癒の書』は,論理学や自然学,数学,形而上学など多くの学問分野を体系的に論じた大部の著作である。イスラーム哲学史上,決定的に重要な作品であるが,主に自然学と形而上学が12世紀から13世紀にかけてラテン語訳され,ヨーロッパの思想界にも多大な影響を与えた。そのうち『魂について』は50の写本が残っている。
本書で扱われる魂の議論は,アリストテレスやアレクサンドリア学派の影響を受けて自然学と形而上学の二分野にまたがり,肉体とのつながりは自然学で扱い,死後の魂は形而上学に分担されている。アリストテレスは知性の不滅性について深くは言及しなかったが,イブン・シーナーは魂論の根底にその不滅性を据えて,非物質的知性が死後も個体として存続するとしてアリストテレスを否定した。
『魂について』が哲学史に与えた論点として,空中人間論,内的感覚論,評定力,預言論,能動知性論などがある。なかでも内的感覚論は受容されたが,能動知性論は激しい批判を受けて,抽象的認識論や直感的認識の理論に結実した。
12,13世紀における西洋の文化発展はギリシア語,アラビア語,ヘブライ語の翻訳によるところが大きい。『魂について』における見解がアリストテレスの意見とされたり,アリストテレスの魂論になくてイブン・シーナーの魂論に付加された論点など,多くの研究課題が残されている。その意味で本訳業は学界にとっても記念碑的な業績になろう。

【解説】イブン・シーナー『魂について』をめぐる思想史的地図(山内志朗)

〔序文〕
第一部(全五章)
第一章 魂の確立と魂であるかぎりにおける魂の定義
第二章 古人たちが魂と魂の実体について述べたことの記述とその論破
第三章 魂が実体のカテゴリーに入ること
第四章 魂の諸作用の相違が魂の諸能力の相違によるものであることの説明
第五章 魂の諸能力の分類列挙
第二部(全五章)
第一章 植物的魂に関係のある諸能力の確認
第二章 我々にそなわる各種の知覚作用の確認
第三章 触覚について
第四章 味覚と嗅覚について
第五章 聴覚について
第三部 視覚(全八章)
第一章 光,透明体,色彩
第二章 明るみは物体ではなく物体に生じる質であること,また明るみと光線にかんする諸説と疑問
第三章 これらの謬説の完全な矛盾,なぜなら明るみは鮮やかな色彩とは別のものである,また透明体と輝くものについての議論
第四章 色彩とその発生について述べられた諸説の検討
第五章 見るはたらきにかんする諸説の相違と謬説そのものにおける謬説の論破
第六章 彼らの教説をその教説に述べられた事柄によって論破する
第七章 彼らがもたらした疑問点の解決,そして透明体と光沢のあるものに対する配置がさまざまに異なる視覚対象にかんする議論の締めくくり
第八章 一つのものが二つのものに見える理由
第四部 内部感覚(全四章)
第一章 動物にそなわる内部感覚の概説
第二章 これらの内部感覚に属する形相化能力と思考能力の諸作用,および眠りと覚醒,正夢と逆夢,ある種の預言者的諸特性の議論
第三章 想起能力と表象能力の諸作用,またこれらすべての能力の作用が物質的な器官によるものであること
第四章 運動能力のありさまとそれに結びついた預言者性の一種について
第五部(全八章)
第一章 人間にそなわる能動作用と受動作用の諸特性,および人間的魂にそなわる思弁と実践の諸能力の説明
第二章 理性的魂が物質的素材に押印されずに存立することの確立
第三章 この章は二つの問いを含み,その一つは人間的魂はどのように諸感覚を利用するかということ,第二の問いは魂の発生の確立である
第四章 人間的魂は滅びることも輪廻することもない
第五章 我々の魂に作用する能動知性と我々の魂から作用をこうむる受動知性
第六章 知性の作用の諸段階と魂の最高段階である聖なる知性
第七章 魂とその諸作用,魂が一であるか多であるかについて,古人たちから伝えられた教説の列挙,それらについての真実の説の確認
第八章 魂にそなわる諸器官の解明

訳者あとがき
諸版対照表

イブン・シーナー[イブン シーナー]
著・文・その他

木下雄介[キノシタユウスケ]
翻訳

目次

第1部(全五章)(魂の確立と魂であるかぎりにおける魂の定義;古人たちが魂と魂の実体について述べたことの記述とその論破 ほか)
第2部 (全五章)(植物的魂に関係のある諸能力の確認;我々にそなわる各種の知覚作用の確認 ほか)
第3部 視覚(全八章)(光、透明体、色彩;明るみは物体ではなく物体に生じる質であること、また明るみと光線にかんする諸説と疑問 ほか)
第4部 内部感覚(全四章)(動物にそなわる内部感覚の概説;これれの内部感覚に属する形相化能力と思考能力の諸作用、および眠りと覚醒、正夢と逆夢、ある種の預言者的諸特性の議論 ほか)
第5章 (全八章)(人間にそなわる能動作用と受動作用の諸特性、および人間的魂にそなわる思弁と実践の諸能力の説明;理性的魂が物質的素材に押印されずに存立することの確立 ほか)

著者等紹介

シーナー,イブン[シーナー,イブン]
哲学者。980‐1037

木下雄介[キノシタユウスケ]
1957年東京都に生まれる。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。専攻、フランス文学・イスラーム哲学。現在、中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Nemorální lid

6
『存在と本質との実在的区別の源流』(解 p.viii)であったイブン・シーナーが霊魂における諸作用を五感や能動知性論に即して書いた当著は、『器官をそなえ、生命の諸活動を行なうことのできる自然的物体の第一の完成』(後 p.11)とした魂の定義の在り方がアリストテレス思想の影響を受けていて面白い。自己意識から霊魂の存在を見て証明しようとする空中人間論、デカルトのコギトエルゴスムの源泉とも言える見方が、霊魂の本質性をあくまで諸々の運動の結び付きの一部分とするシーナーの思想の裏付けになっていて、なるほど納得した。2019/01/13

枕流だった人

1
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