内容説明
人々の生活と命を危険にさらす洪水、肥沃な大地を提供してきたのも洪水、この矛盾をどのように解決するのか。天災と共に歩む社会の実現。
目次
第1章 美しい日本の川
第2章 天の恵みとしての雨
第3章 雨水の川への流出
第4章 川の流れ方
第5章 街と川
第6章 水害を防ぐ
第7章 避難
第8章 洪水と共存を
著者等紹介
木下武雄[キノシタタケオ]
株式会社水文環境代表取締役。理学博士・技術士(建設部門)。1931年東京生まれ。1953年に東京大学理学部地球物理学科卒業後、建設省(現国土交通省)土木研究所に勤務。1969年、フィリピン・パンパンガ川の洪水予報設立のため日本政府より派遣され、1990年、国連の防災十年プロジェクトの科学技術委員会委員に任命される。同年、科学技術庁防災科学技術研究所総括地球科学技術研究官に。1992年に定年退職後、株式会社水文環境代表取締役に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コカブ
3
著者は、おそらく河川工学の一線で働いた人なのだと思う。河川の防災について、初歩的な話を初心者にわかりやすく書いた本(だと思う)。最初の雨量計の話など、目からうろこだった。いつも天気予報を見ると雨量の数値が出てくるので何とも思っていなかったが、それまでには観測方法や機器の開発を含めた先人の歩みがあったのだ。雨量の予測や水位の観測といった話も興味深い。そこから水害対策につながるわけだけど、信濃川の大河津分水のように河川から排水する仕組みもある。これもゆったり流れていた川がいきなり急になってしまう。2019/09/18