内容説明
電気の社会実装の歴史から、国のコンタクトトレーシングアプリ、電子署名、遠隔医療、加古川市の見守りカメラ、マネーフォワード、Uber、Airbnbまで。様々な事例から、成功の原則を読み解く。ロジックモデル、因果ループ図、規制の変更、アウトカムの測定、パブリックアフェアーズ、ソフトローなど、実践のためのツールも多数紹介。
目次
1 総論―テクノロジーで未来を実装する
2 社会実装とは何か
3 成功する社会実装4つの原則
4 インパクト―理想と道筋を示す
5 リスク―不確実性を飼いならす
6 ガバナンス―秩序を作る
7 センスメイキング―納得感を醸成する
著者等紹介
馬田隆明[ウマダタカアキ]
東京大学産学協創推進本部FoundXおよび本郷テックガレージディレクター。University of Toronto卒業後、日本マイクロソフトでのVisual Studioのプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリストとしてスタートアップ支援を行う。2016年6月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おせきはん
27
テクノロジーで社会を変革する際に心がけた方がよいことがまとめられています。使う人のデマンドや社会の仕組みと調和をとりながらテクノロジーを「社会と実装」する姿勢は、テクノロジーが進化し、過去のような産業革命が起こりにくくなっていると思われる現在、より重要になるのではないでしょうか。2022/05/20
vinlandmbit
19
図書館本。テクノロジーに関わる身として、気づきのある一冊でした。2023/02/12
Hiroo Shimoda
13
テクノロジーの創造ではなく、社会実装に着目した本。言われてみれば重要であり、地に足が着きまくった内容と言える。実装を考えればNGOや地域との関わりもCSRではなく経営戦略となることも腹落ちする。2021/10/21
冬佳彰
11
社会実装を成功させるには、どんなことに気をつける必要があるか?といった本。俺の社会実装のイメージだと、NPOの人々の話なあ?という感じだったが、本書によれば、社会実装の主体はもっと広く、国、地方自治体、企業、民間など、ビジョンがある組織、人であれば規定する必要もないのか。いたって真面目な本で、構成としては、総論、社会実装の定義、成功させるための原則、インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキング、ツールとなっている。若干抽象度が高いので、実装者は、読み込んで内面化する過程が必要だろう。転ばぬ先の杖か。2021/10/16
ぶう
10
人々の役に立つ新しいテクノロジーが現れれば、速やかに普及していくものだと思う人は多いかもしれない。しかし技術が浸透していくまでにはいくつもの障壁を超えていく必要がある。事実、電気などのインフラも、発電の技術が発明されてから普及するまでに50年の年月が掛かっている。谷を超える為に一番重要なのはインパクト。ステークホルダーに課題を明確に認識してもらい、理想とのギャップを感じてもらうことが重要なのだ。それ以外にも技術を受け入れる法律の整備やナラティブを活用しての納得感の醸成など地道で泥臭い活動が必要なのである。2021/03/18