文春文庫<br> 水声

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文春文庫
水声

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167908812
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

夢に亡くなったママが現れたのは、都が陵と暮らしはじめてからだった。きょうだいが辿りついた愛のかたちとは。読売文学賞受賞作。

内容説明

1996年、わたしと弟の陵はこの家に二人で戻ってきた。ママが死んだ部屋と、手をふれてはならないと決めて南京錠をかけた部屋のある古い家に。夢に現われたママに、わたしは呼びかける。「ママはどうしてパパと暮らしていたの」―愛と人生の最も謎めいた部分に迫る静謐な長編。読売文学賞受賞作。

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958(昭和33)年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年、「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。01年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年、『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、14年、『水声』で読売文学賞、16年、『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

117
不思議な家族の物語。両親は兄妹であり、子供である姉弟は惹かれ合う。姉弟の実の父親は別にある。とても風変わりな設定である。何故だろう。川上弘美さんの丹念な言葉により、この家族が自然に思えてくる。作品に流れる静謐さ。静かに暮らす姉と弟。戦前の祖父母の頃から流れる生活。そこにある出来事は確かに不穏なのだ。だが、それは自然であり、当然と読者に感じさせる何かがある。それは川上弘美さんの筆力によるものか。私はかつて村上春樹さんの文章が好きで読み耽っていた。川上弘美さんの文章にも静かに読ませる引力がある。印象深い作品。2022/02/20

優希

101
読売文学賞受賞作。愛と人生と、最も大切なことを考えさせられました。それぞれ心に抱えるものがあり、切なさと苦しさがあるものです。それが美しく人生の中で輝いているのではないでしょうか。明確な言葉ではなくても、それぞれの言動が心にスッと入ってくるのです。静かに余韻に浸る感覚も好みでした。2019/07/27

あも

98
水の記憶。循環する水と時間。共に暮らす50代の不思議な姉弟。こどもの頃。母が亡くなった20年前。更に昔。時を行き来し、ぽつりぽつりと雨垂れが溜まり形を成すように、輪郭が見えてくる。普通ってなんだろう。誰を傷付けるでもない普通じゃなさは誰にも責める筋合いなんてないのにな。時間を不可逆に流れるものと認識してる生き物は人間だけなんじゃないか。本当はもっと自由で融通無碍で過去も未来も混然一体となってここにあるのに、なんて。ちょっとふわふわしてて面白いとは言い難いが、それでも川上さんへの評価は揺るがないのが凄い所。2018/06/22

ふじさん

95
兄と妹が夫婦となり、その娘と息子が同棲し恋愛関係に、一般的には許されない。しかし、そこにあるのは仲がよく健やかで、一人一人が別々な個性として存在し、互いに互いを尊敬している家族が存在する。これは、ある家族の話であり、姉と弟の物語であり、個性豊かな母と娘の物語でもある。家族とは?愛とは?社会とは?この大きなテーマに、川上弘美は、個として存在のすることの大切さを説いているように思えてならない。 2021/04/12

ろくせい@やまもとかねよし

82
利己と利他の軸の中、人間社会は利他的思いやりを重要視する。そのタブー的な兄妹(姉弟)間の恋愛を肯定することで、ある種の生物としての人間個人の利己性が重要であることを示し、人間社会の在り方の再考を描いていると感じた。特に年少期、誰しもが感じる親など近親者に抱く利他的感情。このタブー的な感情を、生物としての人間の死をもちだし利己性所以と肯定し、現行の人間社会がいかに規制された自己と他者の危うい関係であるかを示している印象をもった。「生」自体に大きな不安がない経済的に豊かな現状、向かう方向はどこなのだろう。2019/03/14

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