感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumicomachi
4
全歌集や原本などを持っていて何度も読んでいるのだが、新書サイズ・ソフトカバーのハンディな判型と読みやすい文字組み、石川美南による編集の妙により、敬愛する永井陽子の世界に新鮮に出会いなおすことができた。『てまり唄』完本、遺歌集『小さなヴァイオリンが欲しくて』抄、第一句歌集『葦牙』抄を収録。私性が濃く、母の看取りや自身の病などが影を落とす歌には胸を締め付けられるようだが、それらの歌にも優れた音楽性や物語性が宿っている。宇田川寛之による略年譜、石川美南による編集ノートも鑑賞の助けになる。2025年3月1日発行。2025/03/13