内容説明
不安と憧憬を、時代を生きる痛みを、そしてはかない恋を、真青の風に託してうたう。第一回近藤芳美賞受賞の表題作を含む、四二四首を収録。
目次
1(催花雨;夏の陽;あやめの舌 ほか)
2(辞めたのに;たてがみ;ねぢれつつ ほか)
3(うつくしき誤答;バイトを探す;マラソン ほか)
著者等紹介
熊谷純[クマガイジュン]
1974年広島市生まれ。広島大学文学部文学科卒業。2010年短歌をつくり始める。2014年近藤芳美賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぇけら
19
口笛吹けば思ひ出さるるはつなつの處女のおまへの紅き唇。二〇一四年の夏のはじめ、きみはまだ自覚していなかった。きみのまぎれもない綺麗さに。大切なものが失われないように、ぼくらはふたつならべた蒲団のあいだで抱きあった。やがてきみは衣をはいで、不如帰のようにとびまわる。ほんとうにきみは綺麗で、ぼくの手からはなれていった。ひとりぼっちの影がくっきり見えた夏の終わりに、きみの鼻唄を着メロにした。五線譜のうえでおどる君の声は、あれから二度と鳴らない。だから次の夏までに、また新しいきみをさがすよ。2019/07/07
双海(ふたみ)
7
不安と憧憬を、時代を生きる痛みを、そしてはかない恋を 真青の風に託してうたう、第一回近藤芳美賞受賞の表題作を含む424首を収録。「あざやかな思ひ出そつとひもとけば渡れる風は真夏のシアン」「平等に流るる時の真ん中で平等でない命を削る」「ひとつづつ生まれる夜がひとつづつ静かに明ける 君に会ひたい」2023/09/30
青色
2
「最後だと言へば許してくれさうな君に最後の電話をかける」とても好き。最後と言えば許してくれそうな人というのがなんかすごくわかるなぁという感じ2018/12/25
-
- 電子書籍
- 愛をこめて、ぼちぼち 1 マーガレット…
-
- 和書
- 国破れて議員あり