感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
187
歴史ある国際的な絵本原画コンクール「第27回ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)」でグランプリを受賞した作品ということで読みました。イランの絵本は、初読です。絵に迫力があり、インパクトのある絵本ですが、ここまで凄いとボクサー🥊と言うよりも大魔神です(笑) https://note.com/topstudio_trans/n/n2d1d07089846 2022/01/05
アキ
105
2019年ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)でグランプリを受賞したイランの絵本。扉に推薦文を書かれたサヘル・ローズさんによると、イランは伝統的な詩の文化が根付いていて 詩に絵がつけられた絵本も多いそうです。翻訳は愛甲恵子。内容は、哲学的なものを感じさせるボクサーのお話。力を持つものは、力を持つ前に何にその力を使うかを考えるべきというもの。世界の指導者を見渡しても、それが出来ないのが人間の業なのでしょうか。2022/02/02
fwhd8325
59
あることがきっかけで出会った作品です。イランの絵本です。ヒーローとしてのボクサーがとても魅力的に描かれています。帯には「言葉と詩の国イラン」と書かれています。同じ言葉で、これだけ作品の世界観を表現する力を感じます。もちろん色彩にあふれた絵も素晴らしいと思います。2021/12/27
とよぽん
54
イランの絵本。絵の迫力、大胆な色遣いに引き寄せられる。あらゆるものを打って、打って、打ちまくるボクサーの心の変化が鮮やかで、「君子豹変」の言葉が浮かんだ。5000年の歴史をもち、詩の文化が根付いている国イラン。若く素晴らしいアーティストの1人、それが本書の作者ハサン・ムーサヴィーさん、1983年生まれ。2022/02/11
seacalf
53
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」と言ったのはチャンドラーが生み出した探偵、フィリップ・マーロウ。この絵本を読み終えてしみじみとこの言葉を思い出した。ボクサーは純粋にがむしゃらに打って、打って、すべてを打った。そのこぶしは岩を打ち砕き、大波を引き起こすほどに。そしてある時に周りに誰もいないことに気付く。多くは語られないが、じんわりと効いてくる。良い絵本だ。今回は珍しいイランの本だったが、世界の隠れた名作を紹介する「世界と出会う絵本」シリーズの第一弾とのこと。今後が楽しみ。2022/06/02