内容説明
2012‐2014、東日本大震災後の世界を生きる。第五歌集。
目次
二〇一二年(野の花;ノリ・メ・タンゲレ;寒色 ほか)
二〇一三年(象の乳首;牧水のやうに;声 ほか)
二〇一四年(寒気殺気;打馬;声冴えて ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
41
#大口玲子 #短歌 #現代女性歌人展 その人の日本語がまづ好きになりときにほれぼれと聞く春の雨 鳥の名を訊ねむとわが名呼ぶ人を水辺にて立てるイエスと見をり 声のみを電話で重ね合はせたり春の大淀川を隔てて オリーブの枝剪りにゆく土曜日の岬をつつみ霧雨のふる 田植とうに済みたる水田過ぎながらしげく会ふことよろこびならず その人に叱られながら沖をゆく船の白さを目で追ひつづく 2016/07/21
あや
3
ずっと読みたいと思っていた大口玲子さんの歌集。震災後やお子さんを詠んだ歌が好きです。 思はざる箇所に下線を引かれたる他人の聖書を書棚に戻す しりとりの絵本にあればためらはず「げんしばくだん」と子が繰り返す 福島に生きる母親に強さありその強さに国は凭れかかるな2020/05/02
yumicomachi
3
ずっしりと重い歌集。社会詠や信仰の歌に心を動かされたが、飲食の歌や料理の歌も多く、地上の生命を健やかに生きようとする逞しさも感じられた。〈菜の花のバター炒めを子は食べておなかあかるくなつたと言へり〉2017/08/31
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