内容説明
一枚の絵を前にしてヴァルザーは自由だ。時には簡潔に、時には冗長なまでに語る。またドラクロワやルノワールの絵に触発されて、詩を生み出す。散文にしろ詩にしろ、小さなものに焦点を合わせてヴァルザーの世界そのものを創り上げる。
目次
『アポロンとディアナ』
ルーカス・クラナッハのアポロンとディアナ
ティチアーノのヴィーナスに捧げるソネット
ベルギー美術展
ブリューゲルの絵画
イカロスの墜落(草稿)
放蕩息子
ヴァトー
ブーシェの絵画に捧げるソネット
フラゴナールの絵画(草稿)
スイス兵の出立(草稿)
ドラクロワ
ドーミエのデッサンに拠る
ディアズの森(草稿)
アンカー画集
オランピア
セザンヌ思考
ルノワール
ファン・ゴッホの絵
ファン・ゴッホ
ホドラーの山毛欅の森
画家カール・シュタウファー=ベルンの人生の一場面
ビアズリー
『婦人像』
水彩画
著者等紹介
若林恵[ワカバヤシメグミ]
東京生まれ。専門はドイツ語圏文学・文化。現在、東京学芸大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルーシー
1
「ヴァルザーにおいて片隅の小さな存在は、同時に中心的存在でもあるのだ。」「人物たちは絵画に描かれた場面に縛られることなく(...)絵を囲んでいる額縁を超え出て、新しい物語が紡ぎ出されていく。」絵画を前に思い出話をしたり勝手に台詞をつけてみたり、よーく見ないとわからないくらい小さく描かれたものについて語ったり…ヴァルザーの気ままに歩き出す言葉を追いかけていくような楽しい読書時間でした。2021/07/21
kaz
1
スイスのドイツ語作家であるヴァルザーの作品集。内容は絵画を題材にしたもので、なるほどと思うものもあれば、ピンと来ないものも。結果、気になるもののみななめ読み。図書館の内容紹介は『一枚の絵を前にしてヴァルザーは自由だ。時には簡潔に、時には冗長なまでに語る。ドラクロワやルノワールの絵に触発され詩を生み出す-。ヴァルザーの絵画関連の散文や詩を集めたアンソロジー』。2021/05/02