内容説明
古典期のゲーテから20世紀のブレヒトまで時代を経てなお輝き続けるドイツ詩50編を珠玉の翻訳とみずみずしいエッセイで贈る。
目次
前古典期から古典期の詩―十八世紀から十九世紀にかけて(愛のあいさつ―読み人知らず;スペイン語の歌(ゴットホルト・エフライム・レッシング) ほか)
ロマン派とハイネ―十九世紀前半の詩(羽ペンに力をこめるたびごとに(アヒム・フォン・アルニム)
春の信念(ルートヴィヒ・ウーラント) ほか)
自然主義の詩―十九世紀の詩(塔にて(アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ)
さようなら(アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ) ほか)
十九世紀末から二十世紀の詩(静かな太陽(アルノー・ホルツ)
外面生活のバラード(フーゴー・フォン・ホーフマンスタール) ほか)
著者等紹介
森泉朋子[モリイズミトモコ]
1988年上智大学ドイツ文学科卒業。1990年東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、東京工業大学、および拓殖大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Matsuko
6
ゲーテの詩の解説が読みたくて図書館で見つけたこの本。ゲーテだけでなく18世紀から20世紀のドイツ詩人とその詩の書かれた背景などがさらりと書かれている。詩の読み方は其々だと思うけど、詩に馴染みのない初心者の私にはまさに愉しみ方を教える手引書のよう。解説から溢れ出す筆者の想像力と優しさ。こんな風に羽ばたくように詩が読めるようになりたい。ゲーテ以外の詩人達に出会えた事も嬉しい。特にハイネの詩に込められた純粋さや悲哀が忘れられない。カロッサの『ルーマニア日記』の言葉にも涙が零れる。この本を手に取ってよかった。2017/05/06
kazuto23
0
お腹いっぱいになったから1/3を残して読むのやめた。 綺麗だし強い詩がいくつもあって、詩は小説とは違う力を持ってるんだ、ということが分かった。自分の中ではゲーテの詩よりハイネの詩がピンときた。2011/02/08
narunaru310
0
ドイツ詩は初めて。多くの詩に共通しているのが、「死」の匂い。最後にホロコーストを扱う作品群を挙げているためにそう思えるのかもしれないが、『五月の歌』であれほど輝かしい情景をうたっているゲーテでさえ、薄暮の一瞬のような、ひたひたと忍びよる死を思わせる詩をのこしている。そして私はこの「匂い」にいいようもなく共感してしまう。私はほかに唐の詩しか知らないが、寂寞とした感覚は唐詩とドイツ詩に通じているように思える。しかし眼を向ける方向は違っており、東洋と西洋の違いを感じられてとても興味深い。私はハイネが好きだ。2019/02/18