目次
序章 グローバルな正義論の主問題―分配的正義の空間的拡大の是非
第1章 グローバルな正義をめぐる二つの理想
第2章 国際的な援助の義務の優先性とJ.ロールズの「援助の義務」
第3章 グローバルな正義の義務と非遵守
第4章 グローバルな正義と諸国家
第5章 「国際的な」分配的正義
第6章 平等主義的な分配としての国際的な分配的正義
結論
著者等紹介
上原賢司[ウエハラケンジ]
1980年生まれ。明治大学政治経済学部政治学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(政治学)。横浜国立大学、立正大学にて非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すずき
0
グローバル正議論における非理想理論に注目し、コスモポリタニズム/国家主義を架橋する前提としての「複数国家からなる一つの世界」を導出。ロールズの「基本構造」の議論や関係主義を前提にして、国家内部での制度的関係に基づく国内的な分配正義と、国際的な制度的関係に基づく国際的な分配的正義の二元的な構想の可能性を示している。筆者も自覚している通り、本書の意義は既存の議論の整理を通じて、今まで見逃されてきた第三の道の可能性を示すことにあり、正当化は不十分(例えば関係主義は自明視される)。全体的にロールジアン!って感じ。2019/02/20