出版社内容情報
加持の法具である密教法具は、衆生(=行者)の即身成仏を
助けるための如来大悲の象徴である──密教法具にこめられ
た意義と作用を、主に在家の人びとを対象に詳細に解説。
併せて読経の大切さについても平明に説く。
口絵カラー一葉。
【目次】
I 修法道場は荘厳された生命の世界
密教寺院は何故薄暗いか/青年修行僧の思い出/須弥壇上は
生命の種々相
宮殿──精神の具象化
餓鬼の棲家は諸々の不浄所
秘仏──絶対を象徴するもの
絶対は眼に見えない/仏の真身は見ることが出来ない/現象
は皆如来である/拝むことによって仏になる
Ⅱ 密教法具に秘められている加持の真理
加持──仏の力を戴く秘法
真言宗は加持の法門/智慧と慈悲を象徴するもの/仏の慈悲
と衆生の新人を表す/供養腹三日は仏の慈悲
脇侍──智慧と慈悲の象徴
何故に「如来の大悲」か/文殊は足に利剣を執るか/般若とは
「如」に達する智慧/魔の宮殿を崩壊させる仏智/慈悲の悲は智
慧の悲しみ/大悲とは智慧ある慈悲/ほか
大壇──金剛堅固の法域
菩薩永劫修行の道場/曼荼羅とは何か/荘厳とは拝むことである
結界──求道心が築く法域
求道心の有無を問う結界/金剛軍荼利と毘那耶伽/行者の妄念
に呼応する魔性たち
金剛?──求道心を支えるもの
金剛?と金剛線/五種結界が意味するもの
多宝塔──精神の尊厳の象徴
法身の舎利を納めるもの/大地こそ仏法の基盤/何故大日如来は
ア字であるか/舎利塔が意味するもの
五瓶花──生命の花を開かせるもの
水は何故に宝珠であるか/何故に宝瓶であるか/龍とは衆生の業
である/五色とは仏の慈悲を表す/ほか
輪宝──煩悩即菩提の説法
羯磨──仏凡一如の事業完成
Ⅲ 加持の法力を象徴するもの
礼盤──菩薩の台座
修法者は菩薩である
塗香──三業の垢穢を断除するもの
垢穢を浄める戒律
洒水──生命を潤すもの
慈悲の水を流出する智慧/水中の垢穢を焼尽するもの
六器──仏に捧げる六種供養
仏への供養は自らの修行
六種の供養の意味するもの
焼香の功徳─如来無碍を得る/閼伽の功徳─煩悩罪垢を洗う/
塗香の功徳─心身清浄となる/華鬘の功徳─わが身を美しくする/