内容説明
現地踏査と発掘調査の成果をふまえ、信仰の山に残る遺跡と遺物の実態を明示。
目次
第1部 大峰奥駈道と「宿」の遺跡(大峰の信仰遺跡―「七十五靡」・「四十二宿」・「大峰宿」;奥駈道と七十五靡(吉野~山上ヶ岳;山上ヶ岳~前鬼;前鬼~熊野)
大峰における「宿」の遺跡)
第2部 吉野大峰の遺跡と遺物(「山岳寺院」の成立;金峯と大峰の遺跡と遺物;大峰山寺梵鐘考;金峯山上の銭弘俶塔;山岳遺跡の火打金)
第3部 大峯山の諸相(「大峯山」と山麓の村々;吉野・大峯への道―遺存道標からみた近世の参詣路)
著者等紹介
森下惠介[モリシタケイスケ]
1957年奈良県生まれ。立命館大学文学部史学科卒業。元奈良市埋蔵文化財調査センター所長。現在、奈良県立橿原考古学研究所共同研究員。山の考古学研究会会長、奈良山岳遺跡研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
113
「紀伊山地の霊場と参詣道」として、2004年にユネスコ世界遺産に指定された「吉野奥駈道」を考古学から捉え直してみようという著者の論集。最高所で標高2000m近い山中で現役の宗教施設でもある吉野と大峰では思いの外、考古学的見地からの研究が最近始まったことに驚かされる。20世紀末期から今世紀初頭に掛けてである。大峯山寺の防災工事における採取では和同開珎と須恵器破片が発見されており、山岳霊場としては8c.まで遡る事に大いに驚いた。次の夏洞川へ行ったときには、宗教村落の洞川として見る目は変わるであろうことだよ2022/12/02
Junko Yamamoto
2
水源信仰と山岳信仰が同列になっているが、前者が先であったと思う。その移り変わりを詳しく知りたい。 2022/05/03