出版社内容情報
神々の大祭から鬼たちの奇祭まで、全国の70あまりの夏祭りをとりあげ、その多様さと謎を解き明かしていく。夏は祭りの季節。日本全国のそこここに非日常の空間が出現する。
神々の大祭から鬼たちの奇祭まで、全国の70あまりの祭りをとり
あげ、その多様さと謎を解き明かす。
序章 祭りに隠されているもの
〈祭祀機械〉とテロリズム/増殖の冬祭り、浄化の夏祭り/生者と
死者のシンメトリー/〈見えない存在〉による演劇と破壊
第1章 火のもつ不思議な力
火は異界への通路/北方民族の魂と語らう/富士山と巨大たいまつ/
熊野の山に燃え立つ炎/京都を焦がす送り火/三河に伝わる火の技術
第2章 神輿、山を駆け水を渡る
都から広がった神輿文化/木曽の荒ぶる神輿/夏の海と茅ヶ崎甚句/
海洋信仰と通過儀礼/水による神輿の清め/ 関東神輿の「水掛け」
第3章 巨大な山車が町を練る
神を迎える豪華な飾り/那須烏山の巨大な「山」/博多っ子の魂、山笠
/夜に変身する大山笠/優美な髭籠に神が宿る/牛鬼の山車が練り歩く
/雨を呼ぶ讃岐の竜
第4章 異界につながる船の祭り
海洋民族としての記憶/水に映る壮麗な提灯飾り/豪華絢爛、なにわの
川祭り/厳島に伝わる平家の栄華/華やかでやがて寂しき精霊船/ニラ
イカナイとハーリー
第5章 京から広がる祇園の祭り
祇園祭のポリティクス/八坂神社と山鉾町/近江商人たちの曳山/神に
嫁ぐ南会津の花嫁/唐津の巨大な岩山笠/津和野に伝わる鷺の舞
第6章 海路がつなぐ北の祭り
上方文化、北国に伝わる/勇壮優美な能登のキリコ/簡素なキリコと
あばれ神輿/たてもんと漁師町の熱気/揺れる竿燈、稲穂の実り/ね
ぶたを流す青森の夏
第7章 死霊たちとともに踊る夜
陶酔を呼びこむ狂おしい踊り/水の郷、奥美濃の盆踊り/ぞめきの
リズムと阿波の夏/亡者と踊る西の島、北の里/紙灯籠を頭にのせ
て/陽気さ漂う北のよされ
第8章 祭囃子が聞こえてくると
時空間を切りとる祭りの音/情感漂う風鎮めの夜/夜叉や幽霊たちの
陣太鼓/異国的なジャンガラの響き/日本一やかましい囃子/鉦と太
鼓の叩きあい
第9章 生き物を仲立ちとして
蠱毒のコミュニケーション/カマキリのかぶり物で舞う/吉野の聖域に
蛙あり/ 神を降ろすキツネの化粧/田園をゆく張り子の動物/野馬、
東北を駆ける
第10章 異形のものたちを招く
祭りにとりこまれた「遊び」/女性を襲う暴れ天狗/地獄を舞台に鬼が
舞う/ゴーサマにつかまれば命がない/増殖をうながす田植え祭り/異
形の仮面神、悪石島に出没/南洋からきた不思議な神
各章で紹介したおもな夏祭り一覧
大西 昭彦[オオニシ アキヒコ]
著・文・その他
内容説明
神々や鬼たちが織りなす不思議なメカニズム。祭りという“機械”が動きだす。
目次
祭りに隠されているもの
火のもつ不思議な力
神輿、山を駆け水を渡る
巨大な山車が町を練る
異界につながる船の祭り
京から広がる祇園の祭り
海路がつなぐ北の祭り
死霊たちとともに踊る夜
祭囃子が聞こえてくると
生き物を仲立ちとして
異形のものたちを招く
著者等紹介
大西昭彦[オオニシアキヒコ]
1961年兵庫県生まれ。同志社大学経済学部卒業、神戸大学大学院博士課程前期修了。報道・編集・映像分野で活動。映画『劇場版 神戸在住』を企画プロデュース。神戸山手大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。