内容説明
歴史的な観点から日本哲学史の諸問題を跡づける明快な日本哲学通史。
目次
第1章 普遍的国家の理想とその哲学的基礎―聖徳太子とその後継者
第2章 奈良平安時代の哲学思想
第3章 中世思想
第4章 仏教とキリスト教との論争―西洋との出会いの時代
第5章 近代思想―江戸時代の一般的動向
第6章 近代的傾向―江戸時代の特殊問題
第7章 日本の哲学思想の諸問題
著者等紹介
中村元[ナカムラハジメ]
1912年島根県松江市に生まれる。1936年東京大学文学部卒業。東方学院長、東京大学名誉教授、文学博士。1999年逝去
春日屋伸昌[カスガヤノブマサ]
1920年東京に生まれる。1943年東京大学工学部卒業。法華会理事長、中央大学教授、工学博士。1990年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
5
原題はA History of the Development of Japanese Thought; A.D.592-1868。時代が聖徳太子の治世から明治維新までに限定されたのは、日本思想の萌芽を近代以後とする従来解釈への批判ゆえである。著者は、宗教思想を「切り捨て」国家主義や天皇崇拝にすげ替えた第二次大戦期までを思想の意味が歪曲された時期と見る。本書は、極東の島国での仏教、キリスト教、儒教、神道の宗教思想間の交流と共に展開する哲学を、比較思想の立場から普遍的国家という理念を導入しつつ比較検討する。2021/04/20