内容説明
自己責任論の危うさと「親」であることの責任。アビューズ(児童虐待)の深刻さはどこにあるか。「しつけ」のもつ意味と発達障害。少年犯罪と青年期の「性」の難しさ。著者は訴える。発達障害とは“異常性”ではなく、人間がもつ「こころ」の働きの、ひとつの現れである、と。マスコミが報じる浅薄な情報に抗して打ち立てられた滝川「こころ」三部作の到達点を告げるインタビュー集。
目次
第1章 依存と発達
第2章 「親」であることの意味と責任
第3章 「こころ」はどこで育つのか―「児童虐待(チャイルド・アビューズ)」を取り上げながら
第4章 「性」の発達をどう考えるか
第5章 育つことと育てられること―中井久夫の姿勢から学んだこと
終章 3.11を体験して
著者等紹介
滝川一廣[タキカワカズヒロ]
1947年名古屋市生まれ。75年名古屋市立大学医学部卒業。児童精神科医・臨床心理学者。現在、学習院大学文学部心理学科教授
佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年秋田県生まれ。75年國學院大學文学部卒業。批評誌『飢餓陣営』主宰。現在、更生保護法人「同歩会」評議員、自立支援センター「ふるさとの会」相談室顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
17
東日本大震災直後に出た本なのでやや古びている感は否めない。また、私自身「大人の」発達障害を抱えて生きているので基本的に「子ども」の発達障害を扱った内容は巧く咀嚼出来ず。ただ、現在でも読むに耐え得る視点があるとするなら「知る」と「分かる」の相違や性愛というデリケート/パーソナルな事柄を個々人がどう抱えて行くかを扱った部分だろう。あとは地方で問題になっていたトピックはなかなか話題にならず都会で初めて問題となるという指摘も興味深い。発達障害も田舎ではコンフリクトが見えづらかったのが都会で見えるようになったのか?2017/09/13
fonfon
16
良い本を読んだ。発達障害とは「異常」ではなく、こころの働きのひとつのあらわれ」というスタンスを貫く滝川先生を尊敬します。、社会システムや人間関係が複雑化した現在、発達障害というレッテルを貼られてこぼれ落ちてゆく個々の問題ではなく、サポートをするべき社会の問題であるというスタンス。3.11以降の現在についての思いも書かれています。恩師中井久夫先生との思い出話も興味深く読みました。インタビューアは養護学校の先生を経験していらっしゃるとか。前2作品も読んでみたいです。2012/12/04
くまくま
5
発達障害の性の問題は他書で扱われることは少なく、ここまで詳しく書いてあるものは初めて読んだ。ハーロウのアカゲザルの実験は愛着に関する実験として有名で、教科書的にしか理解していなかったが、この実験から性発達が本能的なものでなく、社会的に身につけられるものであるということを導き出せるという点について初めて知って驚いた。2019/10/25
ひろか
4
シリーズ最終巻(3巻)ということで力の入った作品テーマが重いからかどうかわからないが、前2作の方が読後の感激は大きかった2012/04/14
ううまん
2
性の発達について知りたく読みました。なるほどと思うところがたくさんあり、参考になりました。支援者は支援の押し付けに陥ってはいけない、ひとり合点に陥ってはいけない。その通りだと思います。2013/05/26




