内容説明
岩手山から飛んだ火山弾であろうともかく大きいきちんとした帯も二本持っている些事に動ぜずおおらかこの上ない草原を取り巻く悠久の時の中で彼に起こるのは。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896(明治29)年、岩手県花巻市生まれ。盛岡高等農林学校卒。近隣の貧しい小作農民たちの物心両面にわたる救済を期し、1926(大正15)年教員生活に終止符を打って羅須地人協会を設立、農民芸術の振興に邁進する。志半ばにして病を得、1933(昭和8)年早世。享年37歳。盛岡中学在学中より創作に励むが、22歳で初めての童話を執筆、以降、創作と農業指導に献身した。この二つの道は、短い生涯を貫く重要な柱となる。1924(大正13)年、詩集『春と修羅』童話集『注文の多い料理店』を出版
たなかよしかず[タナカヨシカズ]
1949(昭和24)年、東京都練馬区生まれ。武蔵野美術大学彫刻科卒。銀座空想ガレリア、三鷹子どもの本の店りとる、東浦和ギャラリー季等で個展
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naomi
14
落ち着いた雰囲気のカフェで読んだ本。2023/04/08
kanata
4
表紙がまず好き。石たちにしてみれば、自分たちとは違ういびつな形をした、いじめがいのあるやつ。しかし、研究者にしてみれば、奇跡といえるほどの美しい形状の石で、ただちに研究のため運びたがる。石は幸せになれたんだろうか。2017/07/08
いよの缶詰め
3
周りに馬鹿にされても、「ありがとう」と笑うだけ。まるで仏様みたいな雰囲気を持っている。誰だって、このベゴ石みたいになりたい。本当は泣いて、言い返してやりたかった筈。研究所にいく事になったが、彼はその後どう思ったのだろう。2020/10/01
いくっち@読書リハビリ中
3
ミキハウス発行の「気のいい火山弾」がことのほかよかったので、こちらも読んでみました。すでに絵本ではなく、芸術に近い作品ですが、賢治作品と版画って似合うんですよね。自由はないけれど役目を果たしている姿を表した裏表紙が好き。2012/03/11
satobo
2
児童文学、久しぶりに読んだが、凄く胸に響いた。宮沢賢治は小中学校の時以来。これは今だからかな?皆にバカにされていても「うん、ありがとう」って聞いているベゴ石の気持ちもすごく理解できる。子供の時だったら、何でこんなに従順なんだ、もっと相手にぶつかればいいのにって、ベゴ石にイライラしそう。ベゴ石は弱いやつじゃない!嫌な事を言われても、それを受け入れる、大らかで強い心の持ち主だなって。「私共は、自分ができることをしなければなりません」最近、気が滅入っていたけど、この言葉に励まされた。2015/11/06
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