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源氏物語論

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862483638
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0295

内容説明

『源氏物語』の作者および作品を深層で統御しているものは何か?『源氏物語』を論ずるのは、ひとつの特定の物語、特定の作品を論ずることではなく、作品そのもので物語、文学という概念を論ずることである。―作品をつらぬく無意識としての“自然”、霊威=物の怪に対する人々のありよう、また歴史物語『大鏡』や『栄花物語』とのトポロジカルな同型性に着目し、作品の構造と深層を浮き彫りにする。著者の方法意識がもっとも鮮明に発揮された、これぞ吉本『源氏』論と評される古典論の代表作。

目次

第1部 母型論
第2部 異和論
第3部 厭離論
第4部 環界論
附録 わが『源氏』

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年東京生まれ。東京工業大学卒業。詩人・思想家。主な著書に「吉本隆明全詩集」(思潮社、歴程賞受賞)、「夏目漱石を読む」(筑摩書房、小林秀雄賞受賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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katashin86

2
吉本隆明の著作をちゃんと読んだのは初めてだが、ほどよく難解かつ大きな見立てのもと論が進むので読み進めやすかった。 著者じしんが現代語訳をもとに論じたと明言していることもあり、原文を重視する国文学からは激しい批判があったらしく、それはそれで頷ける。 第一部「母型論」はもはや通説的読解といえるが、当時はどう受け止められたのだろうか。その「母型論」テーマが崩れる、玉鬘登場以降について論じた第二部「異和論」が最も興味をひかれた。2021/07/17

amanon

2
非常に刺激に富んだ源氏論で殆ど一気に読み終えた。著者後書きに本書がどれだけ偏狭な国文学者に酷評されたかを綴っているが、それに対する著者の痛烈な反撃には胸がすく思いがする。個人的に特に興味深く読めたのは、宇治十帖について論じた「厭離論」。宇治十帖全体に漂う厭世観、虚無感、薫の宮が抱えている苦悩に苛まれる姿に何とも言えない共感を覚えた者として、薫が知らず知らずのうちに自分が憧憬する女性をいわば台無しにしてしまうという指摘には色々な意味で虚を突かれた思いがした。著者の生前寂聴と源氏について対談して欲しかった。2013/05/10

kaizen@名古屋de朝活読書会

1
吉本隆明が源氏物語を書いていることを知りませんでした。 どういうふうに、源氏物語とつきあえばよいかがのきっかけになるかも。2009/05/07

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