内容説明
今回発見された「屏風絵」には、通説とは違って謙信・信玄が川の中に馬を乗り入れ、共に太刀を振るう姿が描かれている。さらに細部を検証すると、白兵戦の中で、謙信側の一人の武将が、悠然と陣を構えている姿がある。この屏風絵の中でも、別格扱いの武将は一体誰か?その武将の子孫が、後に紀州徳川家に軍学者として仕官し、殿様・頼宣のもとで、通説とは異なる上杉勝利の「屏風絵」を作ったという。通説が正しいのか?紀州本「川中島合戦図屏風」の説が正しいのか。
目次
第1部 紀州本「川中島合戦図屏風」を読み解く(不思議な「川中島合戦図屏風」;一騎打ち図像から典拠を探す)
第2部 軍師から軍学者へ、宇佐美一族の虚と実(謙信軍師・宇佐美定行の発見;親子の軍学者、その正体を暴く)
第3部 殿様と軍学者の「戦国合戦研究」(紀州の殿様と軍学者が取り組んだこと;殿様はなぜ戦国合戦を「研究」させたのか?;「越後流軍学」の末路)
著者等紹介
高橋修[タカハシオサム]
1964年埼玉県熊谷市生まれ。立命館大学文学部卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士後期課程中退。和歌山県立博物館学芸員を経て、現在は茨城大学人文学部教授。日本中世史専攻。地域社会における武士団(在地領主)の存在形態について研究するかたわら、「戦国合戦図屏風」に関する調査・研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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