木星叢書
暴走する「世間」―世間のオキテを解析する

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784862380791
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

内容説明

日本社会の見えない掟、それが「世間」である。事件が起きマスコミで報道されるたびに「犯人」にたいして極端なバッシングが起きるのも、「空気を読め!」という無言のプレッシャーが生じるのも、ケータイを使ったいじめが起きるのも、「世間」という同調圧力のなせるわざ。「お世話さまです」「おかげさまで」といった物言いにもさりげなく顔をのぞかせ、いじめ・うつ病・自殺の引き金にもなる「世間」の力学とは?バブル崩壊以降とみに暴走しはじめた「世間」の危ない構造にメスを入れる長編評論。

目次

第1章 ラジカルでヤバイ世間学―「世間学的エポケー」のすすめ
第2章 いじめ論―子どもの「プチ世間」の登場
第3章 うつ病論―「心理主義」はインチキである
第4章 恋愛論―なぜ日本の男はマザコンなのか
第5章 宗教論―正月の初詣は「宗教行事」なのか
第6章 ケータイ論―再生産される「世間」
第7章 風景論―公共性とは何か
第8章 格差社会論―暴走する「世間」

著者等紹介

佐藤直樹[サトウナオキ]
1951年仙台市生まれ。81年新潟大学大学院修士課程卒業。84年九州大学大学院博士課程修了。専攻は刑事法学、現象学、世間学。現在、九州工業大学情報工学部教授。99年「日本世間学会」創立に初代代表幹事として参画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

10
阿部謹也の世間論を元にした著作。といっても本書では山田昌弘や加藤典洋を引用しつつ日本封建社会論と余り変わらないものになっている。三万人を超える自殺者数を元に議論を進めているが、ここ十年で一万四千人以上減ったことを考えると疑問に思われる。別に日本人がキリスト教に大規模に改宗したり開戦したりしたという訳ではないからだ。単純なキリスト教倫理と儒教倫理の比較では無理があるだろう。 とはいえ2011年以後、著者の論調も変わったようではあるのだが。2019/05/13

おさと

3
鴻上さんの「世間」の話から興味を持って読んでみた。なーる、とか、懐かしい笑2022/02/27

Gou

3
日本は中世!? あれ?最近そんな話聞いたような・・・・。国連で刑事司法のダメ出しくらったんだっけ? それはそうと、日本には「世間」はあっても「社会」はないそうで、西欧の「世間」は中世までしかないそうだ。この「世間」で日本の問題全てが説明できるとは思わないが、そこそこに「あ~、わかる」と納得してしまう部分があるのが面白い。あと、キリスト教のくだりとか世間の呪術性とか、何回も繰り返し出てくるのでループしてるのかと錯覚しそうになる。説明するのに必要なのはわかるけど、一瞬乱丁かと思った。2013/06/20

yuichiro

3
自分の主張に強引に寄せていってる感が拭えない。中世ヨーロッパが捨て去った制度を日本は今も引きずっている、みたいな書き方は一面的じゃないかなと思う。でも、内容は面白かった。確かに僕たちは世間に支配されてると思う。2013/01/25

marcy

2
風景の公共性の章に、心から共感しました。着るものや髪型で個性を発揮する欧米の人たちが、住まいや建造物を街並みに調和させるのとは裏腹に、日本人はなぜか自宅の外装や店舗の看板で自己主張したがります。目障りな看板、唐突なデザインの建物。関係者以外を含めた、街行く人たちの目にどう映るか、という意識が日本人には全くないことが具現化したのが、日本のごちゃごちゃして落ち着きのない街並みに見て取れます。おもてなしだの思いやりだの、大層立派な心がけを自負しているかのごとくの日本人の本性は、他人には無関心、なのでは。2020/09/20

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