内容説明
人はどのように自己実現を可能にし、ウェルビーイングに達することができるのか。2つの生命原理としての恒常性のホメオスタシスと、予測し変化を求めるアロスタシスのせめぎあい。エリクソンのアイデンティティ論やマズローの欲求階層論をはじめとする人間科学を広範に検討しつつ、ひとの生涯を、身体‐心理‐社会‐自然という領域から、ウェルビーイングの正と負の軌跡とともに、脳科学的に解き明かす。
目次
1 ホメオスタシスとアロスタシス
2 発達過程の統合と脱統合の絡み合い
3 パーソナリティの発達
4 ライフサイクルの中の課題
5 ライフサイクル初期の負のアロスタシス
6 アイデンティティvs役割の混乱
7 ドーパミンによる相反的なアロスタシス
8 心理的ストレスの身体化反応
9 実践としてのウェルビーイング
著者等紹介
虫明元[ムシアケハジメ]
東北大学大学院医学系研究科生体システム生理学分野教授を経て東北大学名誉教授。八戸看護専門学校学校長、東北大学学術研究員。1958年生まれ。東北大学医学部大学院卒業。医学博士。専門は脳神経科学。ここ数年は、即興再現劇を用いた学生主導的な学びの開発にも取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mim42
7
ウェルビーイングに関係する脳機能と実践の書。著者は脳科学のスペシャリスト。私のような「脳科学の知見を利用して汎用的な知的主観システムを作ろう」という人には少々目的違いだが、ドーパミンの報酬系以外の役割や、学習性無力感の犬の話など面白く読んだ。アロスタシスという用語にこれだけ意味が詰め込まれていたのも初めて知った。最近統計のサトマイさんも「アロ/ホメオスタシス」なる用語を使っているのを観測。来年辺りバズる単語かも?エリクソンのライフサイクルモデルは細か過ぎ。アクター→エージェント→オーサーの3つ程度が良い2025/11/27




