目次
1 自立について
2 友だちについて
3 愛について
4 貨幣について
5 自由について
6 夢の実現について
7 自己嫌悪について
8 成長について
著者等紹介
安冨歩[ヤストミアユム]
現在、東京大学東洋文化研究所教授。1963年、大阪府生まれ。京都大学経済学部卒業後、銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部・東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を歴任。著書『「満洲国」の金融』(日経・経済図書文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
63
とても興味深くおもしろく読んだ。利己主義より利他主義の人の方が厄介、というところで深く頷いてしまった。友人は何でも「他人のため他人のため」が行動原理で一見付き合いやすい人に思えていたが、かなり疲れる出来事があったので縁を切った。本書で繰り返し述べられている「ギブアンドギブである友人を増やすこと」はなかなか大変そうだと思うが、人間関係に疲れた方には「気づきの書」となることと思う。賢者は分かりにくいことを平明に書く。それが本書だと思う。また再読して味わいたい。自分も成長の過程を楽しめる人間になりたい。2016/11/14
ito
58
本書によれば、生きるための根本原理は「自立とは、多くの人に依存すること」である。著者はこの命題に基づき、友だち、愛、貨幣、自由、夢の実現、自己嫌悪、成長について論理を展開しており、楽しく読んだ。私自身、自己嫌悪の塊りなのでこれまでの体験を言い当てられた気がした。また貨幣に頼らない信頼経済ともいえる主張は、今後そういう動きが出てくるのではないかと思った。ただし、著者による友だちの定義が厳しいと思った。人間として尊重しあう人との出会いは、人生にそんなに沢山あるのだろうかとも思う。2014/06/16
おたま
42
【命題1】「自立とは依存することだ」から始まり、【命題2】「誰とでも仲良くしてはいけない」等、私たちが普段抱いている常識を覆すような「命題」が続く。しかし、そこには安冨さんの、壮絶なまでの自分の人生との格闘があり、また多方面での深い思想的な探求がある。そうして到達した「生きる技法」をできる限り分かりやすい言葉で書いたものが本書。言葉が分かりやすいからといって、内容がすぐに納得できるかというと、それはまた別。何度も自分の生きて出会う様々な場で反芻しながら、次第に自分のものとしていくことが必要だと思う。2020/01/09
デビっちん
36
「自立とは依存すること」他社に依存しないことが自立することと思っていましたが、真逆の考え方に頭をガツンと鈍器で打たれたように衝撃が走りました。理詰めに説明されたこの考え方を主軸に持ってくると、今までの言葉の意味が違ったものに感じてきます。ただ、かなりの劇薬だとも思いました。万が一自殺しようという考えが浮かんだら、本書と『夜と霧』を再読することでしょう。2018/01/12
デビっちん
31
再読。どちらが正解かと悩んだことは数しれず。選んだ方が正解だったと嬉しいことも、反対に不正解を選んでしまったと失望することもありますが、その状態に陥っていることが問題であると本書では解説がなされていました。選択を迫られている状況こそが問題で、そうなってしまったらどんなに理詰めに考えてもダメなんですね。これにはガツンとやられました。もっと○○を鍛えるべしです。2018/01/29