目次
第1章 存在への問い(伝統的ヨーロッパ哲学における「本質」と「存在」;ハイデガーの問い)
第2章 非本来性:日常において見失われる自分(「現存在」;「世界‐内‐存在」のあり方)
第3章 本来性:自分の完全なあり方(現存在の「かけがえのなさ」;現存在の本来性;実存主義と存在への問い)
第4章 転回以後:存在の隠蔽(物、道具、芸術作品;存在に聴き従うこと)
著者等紹介
貫成人[ヌキシゲト]
現在、専修大学文学部教授。1956年、神奈川県に生まれる。1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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colocolokenta
9
ハイデカー哲学というものに初めて触れた。誰にも代わってもらうことのできない自らが死ぬ時こそ、自らの存在を確認できるというのは、幸せなことだ。その時、「ああ、いい人生だった」と思える人生を送ることができたら、幸せだろう。ハイデカーの哲学は私にそんなことを考えさせてくれた。2021/05/17
ラウリスタ~
8
なんて分かりやすいんだ と驚嘆した。あんなに分厚いものを良くここまで分かりやすくまとめたものだ。というかハイデガーに限らず、20世紀にかけての哲学の流れも分かったしとっても便利。サルトルとの比較もすっきり。たった2時間足らずにここまで理解が進むとは驚きの名著。すげえなこれ。というかシリーズものらしい、19冊もあって古今の哲学者がだいたい網羅されているから、これを使って哲学史を押えよう。というか100ページあまりの分量で、素人にも分かりやすく解説するなんて難しかったでしょうに。2011/04/30
ころこ
7
読み易い…ですが、言葉が言葉を増殖させる文体は、本来そんなに多弁でなくても言えることを水増ししているだけなのではないだろうか、と冷や水を掛けたくなります。特に存在論において、この様なレトリックと相性が良いというのは用心して読むべきであろうと思いました。2017/05/23
うえ
6
貫氏のシリーズ。「サルトルとハイデガーとは、一見、似たようなことも述べているが、その全体の構図においては大いに異なる…第一に、ハイデガーにおいて重要な役割を果たす本来性/非本来性という区別がサルトルには見られない。ハイデガーにおいては、つねにすでに現実存在しているという被投性と、将来にむけて身を投げるという企投性とは、日常生活という非本来性の次元においても、死へ向かう存在としての本来性の次元においても見られる実存の構造であった…第二にサルトルにとっては、実存というわれわれひとりひとりのあり方が問題だった」2022/07/08
natsu
4
テスト用。この手の本のわりに読みやすい。教授と解釈違うってのもまた面白いし、入門には使える本。ただ、書き手もよく解ってないんじゃないかと思うような誤魔化しが時々あって、ちょっとそういうのは頂けない。2013/01/24