感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
18
杉浦さんが好きな人なら絶対楽しめます。浮世絵が江戸時代の漫画だったとしたら、その方式を取り入れたクラシックなマンガでしょう。ちょっと常軌を逸した恋愛から、ほっこり暖かな人妻ものまで、江戸時代の人間模様がいい感じです。2015/12/04
OTIUM
7
絵を見たときは、浮世絵で漫画がなりたつのかと思ったんですが、結構慣れて読めるものですね。 最終話が杜若で良かった。ふしあなはちょっと怖い。2011/06/08
東雲
6
積ん読になったままだった唯一の漫画。なにしろ全編浮世絵で描かれているのだから。パラリと見た瞬間『おっと、これはまだ私には早い。』と。温めてあったといってもよい。江戸の町を舞台に武士や大工、遊女の生活がいきいきと描かれる。江戸なまりの口調も完ぺきなんじゃないだろうか。それにしてもこの浮世絵の美しいこと!これで漫画を描こうなんざァ、なんとも粋ってモンじゃござせんか。久しぶりに近藤ようこ『小栗判官』や杉浦日向子『百物語』も読み返したくなった。2013/01/23
くさてる
5
11年前に出た単行本の新装版(新たに二作が収録)。以前に比べてもより版型が大きくなり魅力がより伝わりやすくなったと思います。にすべてが浮世絵の描線で書かれた時代物なので、この独特な絵の手法がいちばんの売りになりかねないけれど、なによりもまず、物語が良い。せつない。すべて江戸時代が舞台となり、そこでの人間模様が題材となっています。人々の葛藤や恋、ちょっとしたおかしさなどは、いまの世の中にも有り得そうで共感できるもの、人間の普遍的な部分はおそらく変わらないのだろうと思わせるお話が揃っています。2009/06/20
深爪先生
3
全編浮世絵で描かれた漫画です。浮世絵といってもとてもシンプルな線で読みやすいです。内容はこの絵だからこそ感じられる情緒がありほのぼのとするものからサスペンス要素のあるものまで。江戸時代の民衆の暮らしも勉強できちゃう優れもの。6編とも全てハズレなしです。2013/03/19