内容説明
見えない中身への期待と不安と好奇心。開けるという行為のイベント感。中身を目にしての驚愕やなっとく。そして味わった後の達成感。単に“缶詰を食べる”という行為の中に、これだけの情動が存在している。ただイメージに便乗してモノを語るのではなく、今この時の自分のことばをリアルに伝えていくために。92個の缶詰との対峙は、感性と情動に立脚したイマジネーションに遊ぶ冒険を教えてくれた。
目次
料理缶詰―美食をあがなうクオリティー
定番缶詰―呼び起こされるノスタルジー
素材缶詰―華美を廃したナチュラリティー
オイル漬缶詰―味覚と美学のバラエティー
缶詰総合情報大学―より深く缶詰を偏愛するために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOKIZAN
10
11年前の出版。こうして見ると缶詰のラベルデザインって変わらないんですね。だから時たま、思わず手に取ってしまうことがあるのでしょうか。カバーの「あけぼの さけ缶」は好例ですね。同じ「あけぼの」の5,000円のカニ缶の味は、これからも知ることのないブルジョアな話か(メーカーHPには13,000円の缶もあった)。思いだしが強かったのは堀之内缶詰のコンビーフ、四半世紀前に仕事で通ったが、山と田んぼに囲まれた、長閑な立地の工場だった。だけどコンビーフ、厄年越えてから自分から買い求めてはいないような気がする。2016/04/10
きゅー
9
缶詰についててんこもりの一冊。まず冒頭の缶詰の風景というページにやられる。開缶された缶詰とサラダなどが綺麗にお皿に盛られた風景とともにこんな文章が添えられている。「本能を超えた、クレバーでクレイジーな遊戯。食の歓楽。/舌で味わう。脳で味わう。感覚を解き放つ鮮烈な味を、もっと。/五感で遊ぶ。美味探求は知的なゲーム。」いつの時代のセンスかと頭を抱えてしまう。世界の缶詰紹介では、これでもかと見知らぬ缶詰が登場するので見飽きない。しかし、おもしろ缶詰ではなく、実用的な缶詰が多いことに著者の缶詰愛を感じた。2015/12/21
★★★★★
8
世界各国の缶詰を集めたビジュアルブック。眺めてたら美味そうで、ブリ大根作ってあるのに思わずサバ缶を買って帰っちゃいましたよ。ちなみに、シュールストレミングみたいなキワモノは載っていませんでした。2010/03/03
ぐあい師
4
図書館本これを読んでから酒の肴に缶詰を吟味する機会が増えそうです。実際、増えちゃってますけどヽ(´o`;2014/02/26
tama
4
面白かったわ~ この本は東北大震災の前に出版されており、東北から多くの「五つ星」缶詰会社が取り上げられている。今はどうなっているのかすごく気になる。復興していて欲しい。2012/08/07