内容説明
格差や貧困が拡大する現代、普通の女子大生から人妻まで、人並みの生活のためにカラダを売って生きている。性風俗の実態から読み解く「崩壊する日本」の現実。
目次
第1章 あなたの友人、恋人、妻がカラダを売る時代
第2章 性風俗のデフレ化
第3章 性風俗は女性のセーフティネットか?
第4章 真面目な女子大生たちが性風俗へ?
第5章 セックスしてはいけない売春防止法
第6章 風俗業者を規制する風営法
第7章 韓国デリヘルの闇
第8章 性風俗と暴力団、警察
著者等紹介
中村淳彦[ナカムラアツヒコ]
1972年東京都生まれ。大学卒業後、ノンフィクションライターとなる。代表作に企画AV女優の実態を記録した『名前のない女たち』シリーズがあり、劇場映画化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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funuu
14
デリヘル19000店。セブンイレブン18572店(2016年現在」あるとは驚いた。「いい女を確保する店に男性客が集う」から「男性客が集まる稼げる店に、いい女が集まる」に経営手法も変化していく。性病が増加している、官営にしてしまえば解決するのだが難しい。 「かつてレーニンは次のように述べて、資本家をあざ笑ったと言われている。『資本家とは強欲な存在だ。強欲だから、金になるのであれば何でも売る。自分の首をつるすことになるロープですら、金に目がくらんで売ってしまうのが資本家なのだ』」2019/12/22
hikarunoir
11
オリンピック前、コロナ禍も予期さえできなかった新世紀後の暗雲を仄めかし、経済的な深刻化、暗黙の中で知られた全てが明け透けにチャート化される。2025/01/09
akinbo511
8
風俗業界の置かれている状況を法律も交えて業種ごとに解説。著者の既刊本の内容と被る部分も多かった。数は少ないが、実際に風俗で働いている女性のインタビューが興味深かった。2016/10/22
erie
4
社会学的(あくまで「的」)な味方を提示しようとしている人である。自然に起こる財の再分配として、最も簡単なものの一つが性ビジネスなんだろうなあ。この人は貧困に重点を置いていてそれはかなり重要ではある。同時に決して少数派ではない、(美や愛のような何かを際限なく希求する、或いはただ宵越しの銭を持つことを知らない)病理とまではいえないかもしれないが健全といい難い生活をする、売り手の女性をどうするべきか(あるいはどうもしないべきか)結論は簡単に出ない。2019/12/08
k_assok
2
下世話な話と思って手にとって読んだが、むしろ性風俗からみた格差社会を読み解いた本だった。貧困は目の前にあると危機感を覚えました…。勉強しなきゃ、という気持ち2018/12/16