水源

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  • サイズ A5判/ページ数 1037/高さ 21cm
  • 商品コード 9784828411323
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ハワード・ロークという建築家のサクセス・ストーリーでもあり、ロークとドミニクという、とてつもなく硬派で風変わりな恋人たちの物語でもあり、ロークを中心としたワイナンドやマロリーやマイクやキーティングや、そしてトゥーイーをもめぐるホモソーシャルな男同士の絆と愛憎を描く一種のゲイ・ストーリーでもある。しかし何よりも、この小説は政治思想小説である。

著者等紹介

ランド,アイン[ランド,アイン][Rand,Ayn]
1905~82。アメリカの国民作家、政治思想家。ハイエクやフリードマンと並んで、自由放任資本主義を支持する超個人主義的自由主義(リバータリアニズム)の提唱者のひとりとして知られる。本名はアリッサ・ロウゼンバウム。ユダヤ系ロシア人としてサンクト・ペテルスブルグに生まれるが、1926年にアメリカに単身亡命し、生活苦と闘いながらハリウッドでシナリオ作家をめざす。43年に本書『水源』を発表し注目を浴びる。57年に出版された『肩をすくめたアトラス』によって文名を確立。以来、これらの二大長編小説は、アメリカの知的な若者にとって必読書となる

藤森かよこ[フジモリカヨコ]
桃山学院大学文学部教授。アメリカ文学専攻。「日本アイン・ランド研究会」主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

20
1000P超の小説だが面白くて苦にならなかった(本は物理的に重くてつらかったが)。あらすじとしては20世紀前半アメリカを舞台にした天才建築家の物語。個性豊かな登場人物が感情や主張をあらわにぶつかり合うさまは海外ドラマのよう。しかし、この小説の魅力は、根底にある思想だ。衆愚による集団主義に屈することなく、自分自身のために生きることを是とする主人公の力強い信念だ。読み始めは、主人公には才能があるからだ、と思う。だが、最終的には才能の有無など些少な問題であると気付かされる。この作品に出会えて良かったと思う。2020/09/06

sheemer

17
毎朝30分の音読会、5人で4ヶ月で読了。実に読みがいのある本だった。1943年刊だが、内容は全く現代でも通用する普遍的なもの。自由であるとは本質的にどう言うことなのか、今に即して考える機会となる。どなたにもお薦めしたい。大版の単行本で2段組1000ページ。文庫版もあるらしい。分量に怯んで14年間積読していたが、音読会に採りあげようやく読めた。がそうしてよかった! 重ねて、どなたにもお薦めします!2022/04/29

kumokumot

13
終盤のみ再読。読むたびに、自分がすでにどうしようもなく他人の評価や思惑に従い生きるセカンドハンドな人間になってしまっている現状を突きつけられ打ちのめされる。一方で、人間存在の可能性も同時に感じる。誰にもオススメはしないが自分の中では最高の小説の一冊。2021/05/30

CCC

12
ながーい。終盤トゥーイーやロークがぶった演説に一番書きたかったことは凝縮されていると思うが、そこに至るまでがあまりにも長過ぎる。シリーズ本、5巻目あたりで本気出す。みたいな感じだった。体感的に。主張は個人主義万歳の皮を被った英雄主義。利他主義批判は鋭いが、その鋭さは「英雄」には向けられない。その論調から某漫画家の「才能ないくせに不平言って足引っ張る奴は、雨と埃だけ食って辛うじて生きてろ」 発言を連想したのは私だけでいい。2018/12/02

三鷹台のすずめ

10
みなさんのおっしゃる通り全然苦なく読める。続きが知りたくて本を置くのが惜しい。最初は皮肉な風と共に去りぬ?と思ってが、大間違いだった。直訳調にも慣れて映像が浮かぶ。こんなおもしろい小説だったんだ!2020/11/03

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