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内容説明
29人の当事者が語り明かす、禁断のマンガ史。
目次
巻頭口絵 「ERO‐MANGA for image PLAY」…陽気婢
エロマンガノゲンバ雑誌カタログ
エロマンガノゲンバ史年表
まえがき―商業版『エロマンガノゲンバ』出版につきまして
Interview Files(森山塔(山本直樹)
海野やよい
ねぐら☆なお&河本ひろし
亜麻木硅
しのざき嶺&ちゃたろー
ダーティ・松本
千之ナイフ
風船クラブ
伊駒一平
うたたねひろゆき ほか)
描き下ろしマンガ 「いちきゅーきゅーぺけ外伝 1974年生まれの場合」…甘詰留太
著者等紹介
稀見理都[キミリト]
美少女コミック研究家。マンガ家インタビュアー。ライター。その他プログラマー、デザイナーなど職能多数。日本マンガ学会所属。サークル「フラクタル次元」主催、同人誌『エロマンガノゲンバ』シリーズを編集、出版。企画「エロまんがとSF」にて第24回暗黒星雲賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
63
エロ漫画家25人へのインタビュー。エロ漫画に個性はいらないという人もいれば、オリジナリティーが命という人もいる。総じてエロで食べていくのは大変そう。兼業で喰いつなぐ話もちらほら。それから宮崎勤事件がこの業界に大きな影を落としているのがわかる。メディアの捏造によるオタクバッシングもあったそうな。千之ナイフがベルメールの人形を犯罪みたいで嫌だと思いながら引かれていく話はよかった。そのようにその人の芯の部分に健康も不健康も、正常も異常もないと思う。人が自分の芯をどのように表現・行動の核と為していくかに興味津々。2017/11/19
きいち
35
「僕たちはエロマンガで救われる人間がいることを知っています。生きるか死ぬかを分けるほどに」(田中ユタカ)、「エロマンガはトラウマを残してナンボ」(甘詰留太)…規制の波、版元の盛衰、技術の変化に自分の大病、そんな有為転変にあっても描き続けられる実力と、「エロやってるかぎり、自分が正しいという前提に立てない」(森山塔)からこその確信(いや業か)を兼ね備えたベテランたちのピュアな声。◇稀見はおそらく自分とほぼ同年、自分はこれまでこんなに真剣に楽しんできただろうか?いや、問われてるのはこれからか。元気が出る一冊。2017/05/11
山口透析鉄
22
kindle unlimitedで読みました。 これ、著者のまんが評論は正直、あまり鋭いとも思えず、私にはさほど参考にもならなかったんで、そちらの本は割愛しましたが、漫画家さんへのインタビュー記事自体はとても興味深かったですね。やはりどんな分野でも色々な試行錯誤や苦労はあるというか。2022/03/19
すけきよ
18
記憶の蓋をカリカリ指先で引っかかれるw1冊通して、ほぼ全員が言っているのは、「昔はエロさえあれば、何を描いても良かった」ということ。好きだった幻超二や平野耕太は、当時からエロくないなぁ、と思ってましたよw 今の誌面では二人のような個性はデビューしにくいかもね。出版社に余裕がなく、外れにくいフォーマットの沿った作品というのは、決してエロ漫画だけに限った話じゃないよね。タイトルどおりエロ漫画家のインタビュー集なんだけど、この20年の流れは出版業界に共通していて、成年誌に興味なくても、漫画好きなら読んで損なし。2017/01/18
富士さん
6
同人誌のファンだったので、休刊の報を聞いて残念でならなかったのですが、このような形で復活したことは何よりうれしく、小躍りしました。美しさや価値というものはもとからあるものではなくて、受け取る側が作り出すものです。それが消費するということの創造性であって、稀見さんのお仕事はまさに一般に卑下され、ともすれば故意に無視されるエロマンガという文化に宿る作り手の想いや意義を丁寧に記録することによって、文化をいちから創造するという極めて意義深い創造的な営為であるということができます。ぜひ、これに続かねがなりません。2017/12/28