目次
発芽
わたくしが樹木であれば
著者等紹介
岡崎裕美子[オカザキユミコ]
1976年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。1999年「未来短歌会」入会、岡井隆氏に師事。2001年「未来年間賞」受賞。現代歌人協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
27
岡崎裕美子さんの第一歌集と第二歌集が1冊になって文庫化されたもの。私は第二歌集を先に所持していて第一歌集読みたさに買いました。性愛の歌も多いけど、私はお父様への挽歌が沁みました。お母様を詠んだ歌も好きです。 子のいない老人はみなさみしいと産まぬわたしに母は言いたり/おばさんでごめんねというほんとうはごめんとかないむしろ敬え この歌集のなんとも羨ましいところは第一歌集の解説を岡井隆さんが書いていらっしゃる所。岡井隆さんファンにはおすすめです。2023/11/17
双海(ふたみ)
11
「体などくれてやるから君の持つ愛と名の付く全てをよこせ」で話題になった第一歌集『発芽』を読みたくて。すごくいい歌集だと思った。好きな歌が多くてここには引用しきれない…!2023/06/11
たおちゃん
11
私は恋の話が好きだ。恋愛ではなくて恋。恋愛は愛という字を含んでいるからいつ何時でも幸せそうな印象を持ってしまうが(私だけかもしれん)恋と一字であらわせばそれは恋でしかなく、必ずしも幸せなものではない。だからこそ私は恋が好きで、そしてこの歌集の中には私の好きな"恋"が溢れている。ただ身体を重ねること、そしてその相手は自分のことを好きではなさそうな男、自分を殴る男、やさしいがおそらくは不倫であろう男、年下の男……。友達の話として聞けば絶対に止めるような男たちだけどそういう男たちはそれはもう心地よい体温を持っ→2023/01/25
冬見
6
「わたくしが樹木であれば冬の陽にただやすやすと抱かれたものを」2023/02/02
楓
2
爆音のライブハウスでも君のまつ毛ばかりが気になってしまって 体などくれてやるから君の持つ愛と名前のつく全てをよこせ わたくしが世界であったら代田橋の君のアパートをまずは遺産に ハンバーガー店にてあなたを思い出す したたるようなトマトの写真 女なら紐と呼ばれずに スーパーに獲物を狩りにいくときの鬱 ほんとうに出て行くときもこのようにただ背を向けて寝ているか 夫よ 子がいたらこのような夜を過ごすのか 眠るで君の髪を撫でたり 働いてきたような顔で帰りゆく なにも知らない夫の傍えに2024/01/13