出版社内容情報
青年忍者の活躍と魂の救済を描いた傑作長編。
心に深い傷を負った青年忍者。謎の巫女により、その魂は救済されるのか? 時代小説に精神世界のテイストを加えた、新鋭作家の傑作長編。
戦えば、強くなるのだろうか――。忍耐が、人をつくるのだろうか――。
▼聖地「甘水岩(あまみいわ)」をめぐる抗争に加わり、縦横無尽に活躍する青年忍者・伊真(いま)。彼は幼き日に人質の身となった過酷な経験により、心に荒涼たる闇を抱えていた。そして敵方との血で血を洗う死闘の中、彼の前に謎の巫女があらわれる。
▼秘術を尽くした戦いの行方は? 謎の巫女の正体と目的は? 伊真を待つ運命は? そして、戦いに次ぐ戦いの日々を送り、常に虐げられてきた伊真の魂は救済されるのか?
▼本書は、「耐える」をキーワードに、スピード感あふれる文体で、人間の心の中の修羅を描き上げ、読者の心胆を寒からしめる迫力に満ちた展開で、驚くべき結末へと読者を導いていく。時代小説の世界に、心理学と精神世界のテイストを加え、現代人の魂に深く訴えかける野心作であり、従来のファンは、著者の大胆かつ斬新な挑戦に、驚きを禁じ得ないだろう。
●第一章 奇岩
●第二章 毒と水
●第三章 武家娘
●第四章 声
●第五章 領主暗殺
●第六章 夜の崖
●第七章 帰還
●第八章 鏡
●第九章 匂い
●解説 名越康文
内容説明
聖地「甘水岩」をめぐる抗争で縦横無尽に活躍する青年忍者・伊真。彼は幼少の頃、人質となった過酷な経験により、胸に荒涼たる闇を抱えていた。そして敵方との血で血を洗う死闘の中、彼の前に謎の巫女が現れる…。秘術を尽くした戦いの行方は?伊真を待つ驚くべき運命とは?スピード感あふれる文体で、人間の心の中の修羅を描き上げ、現代人の魂に深く訴えかける、時代小説の新境地。
著者等紹介
多田容子[タダヨウコ]
作家。1971年、香川県生まれ。兵庫県尼崎市に育つ。京都大学経済学部卒業。99年、柳生十兵衛を主人公とした剣豪小説『双眼』(講談社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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