内容説明
現代の落語家が創った、笑えて、しかも心の琴線にそっとふれる物語!携帯電話に振り回されるサラリーマンの悲哀を描いた、春風亭昇太『吉田さんの携帯』。女相撲最強力士のパワーと哀しみ!三遊亭白鳥『鉄砲のお熊』。古典落語『片棒』を豪快にアレンジ、立川談笑『片棒・改』。夏休みの宿題をめぐる父と子のちょっぴり切ない思い…、柳家喬太郎『八月下旬』。感動巨編!立川志らくのシネマ落語『人情医者』。友達のいない孤独な男と野良犬の物語、三遊亭圓丈『わたし犬』。高齢化社会の現実を滑稽に鮮やかに描きだした、三遊亭圓歌『中沢家の人々』を特別掲載。全11席収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
5
圓丈「わたし犬」の一席。私小説でありドラマである。古典とは一線を画する。圓丈の蒔いた「実験落語」の種は、昇太、白鳥、彦いち、喬太郎という実を結ぶ。2018/11/21
はかせ
3
文字になっても口調は残るものか。白鳥・談笑・志らく・円丈各師匠の口ぶりがつたわるからあら不思議。中沢家はよく聴いたのにいつも笑ってしまう。力作だなあ。2013/09/10
安瀬内喬
2
前作に比べ、文字化に耐えられている印象。2013/07/09
ざび
2
新作落語の筆記本。半分位は聴いていたので一層楽しめました。聴いていなくても演者をご存知であれば想像しながら読むのも一興。個人的には談笑師匠のネタがきつかったが、後は全部楽しめました。2013/01/12
qoop
2
作者とは別の演者の声をイメージして読もうと思ったのだが、無理だった。口調、口癖、そしてテンポがそのまま文章に反映されているため、読みつつ脳内で文章を改変しない限り難しい。収録作中トップは「中沢家」だけれど、これはもう仕方ない…としか! 昇太師、談笑師、駒次師も◯。2012/12/24