内容説明
1954年から3年間で消えたパ・リーグ幻の球団「高橋ユニオンズ」の全貌を描く渾身のノンフィクション。
目次
序章 穏やかな秋の昼下がりに―2010(平成22)年
第1章 奇跡の一年目―1954(昭和29)年
第2章 波乱の二年目―1955(昭和30)年
第3章 泥沼の三年目―1956(昭和31)年
第4章 夢幻の四年目―1957(昭和32)年
第5章 それぞれの、その後―
終章 突然の訃報―2011(平成23)年
高橋ユニオンズ全所属選手成績
高橋ユニオンズ全試合記録
著者等紹介
長谷川晶一[ハセガワショウイチ]
1970年5月13日生まれ、東京都出身。出版社勤務を経て2003年よりノンフィクション・ライター。スポーツ、芸能を始め幅広いジャンルで取材、執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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gtn
32
ただパリーグのためにとの無私の心で、個人出資者高橋龍太郎氏が創った高橋ユニオンズ。永田雅一のマッチポンプに振り回され、3年で消滅したが、七十、八十代の選手OBが今も集う。負ければ制裁金が課される最終戦に勝利できたのも、決して八百長ではない。「ユニオンズのために」と両チームの選手全員が演出・出演したドラマに思える。2021/09/09
ツバメマン★こち亀読破中
18
1954〜56の3年間だけ活動した幻のような球団、“高橋ユニオンズ”。テレビなどでは取り上げられることが少なく記録や情報も少ないであろうこのチームについて、著者が丹念に取材・調査したことがわかるまさに渾身のノンフィクション!そして、このチームに慶応大学から鳴り物入りで入団したのが佐々木信也!私ごとですが、少年の頃“プロ野球ニュース”を見て、解説でもなくアナウンサーでもなく…この爽やかな人ははいったい誰?と思っていたので謎が解けました(笑)2024/04/09
おかむら
17
かつてパリーグに実在した(3年間だけだけど)球団のノンフィクション。ポンコツと呑み助しかいないと言われた最弱球団。エピソードが時代のせいかおおらかっちゅーかなんか微笑ましい。個人オーナーの高橋龍太郎←日本ビール界の父らしい、とかアイザワススム←後にミクロネシアの大酋長に、とかスタルヒンとか濃い人生を送った人たちのそれぞれがまた興味わくわ!2014/06/17
さんつきくん
10
一人のパ・リーグワンマン総裁の永田氏の提案でパ・リーグは8チームで運営することに。穴埋めの形で、財界人で日本のビール王高橋龍太郎氏に新球団設立を依頼、元々野球好きだった高橋は承諾。高橋ユニオンズを結成。新しい球団に来たのはベテランや飲兵衛らポンコツばかり。スタルヒン選手の300勝や佐々木信也氏の新人最多安打記録などのいい話はあれど、思わず笑ってしまうエピソードも。日本プロ野球史上最弱チーム「高橋ユニオンズ」の数奇な運命を一冊にした本。そしてOBのその後…。2012/12/03
NoControl
7
戦後わずか3年だけ存在した高橋ユニオンズの歩みを追った一冊。記録の上では暗黒期ベイスターズも真っ青な勝率を残し消えてっただけの球団にしか見えないが、本書ではその中で選手、監督、社員、そして高橋龍太郎オーナーが必死に戦ってきたのを関係者への取材をベースに克明に記述し、ユニオンズがプロ野球の歴史の1ページを確かに担っていたことを裏付けている。弱い球団ではあったものの、当時のほとんどの選手たちにとってユニオンズが青春の大切な思い出であったという点が興味深い。非常に読みごたえがあるおすすめの一冊。2017/11/11
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