内容説明
「紹興日記」は、著者が2007年3月から翌2008年1月まで中国・浙江省紹興の紹興文理学院大学(紹興大学)留学中に綴った日記だ。2007年に還暦を迎えた著者が、日時を特に定めず、日々つれづれに気のおもむくまま、枝垂れ柳の小枝が春風になびくように記している。その内容は、大学の授業風景から「呉越」の時代の都、魯迅の故郷でもある古都紹興の街並み、揚子江南(江南)の各地を訪ねた印象記など、中国四千年の悠久の歴史を俯瞰するように綴られている。特に江南の四季を彩る花々、その花々にまつわる「物語」を、周、春秋の昔から連綿と受け継がれた「詩経」や杜甫の情感あふれる美しい詩文を引用しながら中国伝統文化の精髄に精れさせようとする語り口は圧巻でさえある。
目次
紹興日記(還暦;半年間の留学費用は三十万円;春色;清明;発音は難しい ほか)
付録 江南の旅
戯曲 梁祝
戯曲 孔乙己
著者等紹介
古野浩昭[フルノヒロアキ]
中国民話劇「梁祝」公演実行委員会代表。元共同通信社ホノルル支局長。慶応義塾大学法学部政治学科、クイーンズランド大学行政学部大学院卒(東アジア国際関係論で修士)。1988年、家族でオーストラリアのブリスベンに移住。クイーンズランド州組織犯罪捜査通訳官などを経て、2007/8年、中国・浙江省紹興の紹興文理学院大学留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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