出版社内容情報
海辺から日本を見る――。
古代から日本文化の各所で継承されてきた日本特有の海辺の表象〈洲浜〉の全貌に迫る、壮大で画期的な文化史。
まったく新しい視点で日本文化をひも解く、新鋭のデビュー作。
平安時代には盛んに用いられるも、時代が進むにつれて抑圧され周縁的なものとなっていった、〈洲浜〉というモティーフは、しかしながら、その吉祥性・清浄性・聖地性をもって「日本らしさ」の指標となり、日本文化の奥底で密かに息づき続けてきた――。
平安時代に和歌と組み合わせて用いられた箱庭〈洲浜台〉にはじまり、庭園・絵画・工芸・服飾など、その後の日本文化の至る所に継承される洲浜の表象の多様な展開を跡付け、日本文化史を新たな視点から読み直す。
【図版多数、関連年表付き】
内容説明
平安時代に和歌と組み合わせて用いられた箱庭“洲浜台”にはじまり、庭園・絵画・工芸・服飾など、その後の日本文化の至る所に継承される洲浜の表象の多様な展開を跡付け、日本文化史を新たな視点から読み直す。
目次
第1部 平安時代における洲浜の成立とその意義(和歌のためのミニチュアの器―洲浜台;天皇に捧げられる小さな舞台―和歌の観念的表象と政治的機能;洲浜に込められた古代の記憶―清浄なる聖地としての海辺と聖婚;八十嶋祭と『源氏物語』に描かれた洲浜―海辺の経験と王権)
第2部 中近世における洲浜の展開(藤原頼通と洲浜―「高陽院水閣歌合」から平等院へ;日本文化に息づく洲浜―中近世における多様な展開;洲浜の音―海辺の松風と波音)
結び
著者等紹介
原瑠璃彦[ハラルリヒコ]
1988年生。静岡大学人文社会科学部・地域創造学環専任講師。一般社団法人hO理事。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は日本の庭園、能・狂言(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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