出版社内容情報
《産業の進歩など大衆にとって能書きにすぎないということに、だれもが気づいている。〔……〕なぜなら、そこでは産業が、数人の寵児を富裕にさせるために、勤労大衆すべてを貧窮に陥れているからである。》
初期資本主義の病巣を分析し、理想社会ファランジュの構築プランを描き出したフーリエの古典的名著。初版完訳版、ついに刊行!
フーリエ生誕250周年。
《文明人は最近もまた新たに災禍に打ちひしがれているときに、完成可能性への飛翔を遂げていると認めさせられている。〔……〕わけても増加の一途をたどる公債という厄災が最たるものであり、ひとたび西洋人のあいだに戦争が起これば、そのせいで革命〔が頻発し〕、とうとう普遍的倒産に到ることになりかねない。
他にもいろいろの気づかれざる禍根がある。商業の侵蝕が適例である。商業がすべてに跳梁するおそれがあり、ついに諸政府はそれにびくつきはじめている。ソシエテール理論だけがこの政治の巨人(タイタン)を打ち負かす手立てを教授できる。〔……〕
私はここでいくつかの悪辣な職種、商業その他の化けの皮を?がざるをえないが、それにつけいっている人々をなじっているわけではない。間違っているのは、諸国民にぺてんの実践以外に財産の方途を切り開かず、悪徳へと押しやっている文明世界の政策だからである。》――本書「序文」より
内容説明
初期資本主義の病巣を分析し、理想社会ファランジュの構築プランを描き出した古典的名著の初版完訳版。
目次
第1節 情念引力の分析
第2節 試行ファランジュの装置
第3節 調和世界の教育
第4節 引力機構
第5節 諸情念の一般均衡
第6節 文明世界の分析
第7節 運動の一般総合
著者等紹介
フーリエ,シャルル[フーリエ,シャルル] [Fourier,Fran〓ois Marie Charles]
1772‐1837。フランスの思想家。サン=シモン、ロバート・オウエンらとともに初期社会主義者として知られる。その思想に共感する人々によってフーリエ主義運動が起こる
福島知己[フクシマトモミ]
帝京大学経済学部経営学科准教授。一橋大学社会科学古典資料センター専門助手等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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