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出版社内容情報
生涯を懸けてハイデガーとメルロ=ポンティの思想に肉迫し、自らの「反哲学」を構築した哲学者・木田元。
その多彩な軌跡を主要著作に沿って詳細に辿る、木田哲学のチチェローネ。
……私の最初の著者であり、以降半世紀にわたって親しくしていただいた木田元先生について、このようにまとめることが可能になるとは夢にも思わなかった。
その理由は何と言っても、氏の仕事のとてつもない壮大さと緻密さにあった。二〇世紀を代表する思想家であるメルロ=ポンティとハイデガーの業績の輪郭を知ることですら容易でないのに、木田先生は何とハイデガーが挫折した当の『存在と時間』の、本来の構想の再構築まで試み、成功なさっていたのだ。
私は木田先生のご苦労の程をよくよく知っていたので(普段は全くその素振りすら見せない快活な氏であったが)、まさか私が氏の仕事の全体像を描くことになるとは考えたことがなかった。とはいえ、八〇歳の大台を越え、生涯の残り時間も少なくなった時は、残された最後の仕事として浮上してきたのは、やはり木田元論でしかありえなかった。(本書「あとがき」より)
内容説明
生涯を懸けてハイデガーとメルロ=ポンティの思想に肉迫し、自らの「反哲学」を構築した哲学者・木田元。その多彩な軌跡を主要著作に沿って詳細に辿る。木田哲学のチチェローネ。
目次
序章 最初の著者(木田元との出会い;『現象学』の波紋とその後)
第1章 一九八〇年代の仕事(『ハイデガー』(1)―大胆な構想
『ハイデガー』(2)―『存在と時間』の再構成と哲学史の新展望
『メルロ=ポンティの思想』(1)―『行動の構造』と『知覚の現象学』
『メルロ=ポンティの思想』(2)―戦後の活躍と後期の思想)
第2章 一九九〇年代の仕事(「新岩波講座・哲学」;『哲学と反哲学』;『ハイデガーの思想』;『反哲学史』、『わたしの哲学入門』そして『哲学以外』)
第3章 二一世紀に入ってからの仕事(『ハイデガー『存在と時間』の構築』;ハイデガー研究の延長上に―『偶然性と運命』『反哲学入門』など;世紀末思想への関心と「反哲学者」としての多様な顔)
終章 哲学者・木田元
著者等紹介
大塚信一[オオツカノブカズ]
1939年生まれ。63年、岩波書店入社。「思想」や岩波新書、その他の叢書や講座シリーズの編集を担当。「へるめす」編集長を経て、97~2003年まで代表取締役社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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