内容説明
従来、中国本国における映画史研究では、「進歩性」「左翼性」を基軸に評価を定め、その発展経緯の足跡を叙述することが主流を占め続けた。しかし現在、中国映画の隆盛のなかで、その真の映画史の姿が求められ、各種各様の立場と視点から見直しが進みつつある。本書は、第一次史料に依拠しながら、「定説」を覆し、中国本国ではなしえない新たな歴史を記述するマイルストーンである。
目次
緒論 晩清期上海の都市形成と娯楽文化―映画受容の社会基盤
第1章 中国への映画伝来
第2章 夜花園の活動影戲
第3章 活動影戲園の誕生
第4章 輝く銀幕―影戲院の普及とその放映作品
第5章 中国国産映画の幕開けに向かって―前門の洋画、後門の教育主義
第6章 明星影片公司とその作品―大衆志向と教化主義の結節点
終章 視線の先―その後の研究展望をかねて
著者等紹介
白井啓介[シライケイスケ]
1952年東京生まれ。文教大学文学部教授。同大学院言語文化研究科教授。博士(学術/東京大学)。1976年東京教育大学文学部文学科漢文学専攻卒業、1980年筑波大学文芸・言語研究科各国文学専攻中退。愛知大学を経て、1987年文教大学助教授、1995年教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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