内容説明
おまえは天の意志を遂げるために選ばれたのだ。おまえの父の死と、一族皆殺しの復讐をするために。ワーズワス、コウルリッジと並ぶイギリス・ロマン派の桂冠詩人による、中東を舞台にしたゴシックロマンス。英国ファンタジーの原点とも言うべきエンターテインメント叙事詩、本邦初の完訳!オリエンタリズムの実像を知る詳細な自註も訳出!
著者等紹介
サウジー,ロバート[サウジー,ロバート] [Southey,Robert]
1774‐1843。ワーズワス、コウルリッジと同時代に生きたイギリスの桂冠詩人
道家英穂[ドウケヒデオ]
1958年生まれ。専修大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
137
1801年初版の作品。作家はイギリス人。フランス作家の『新千夜一夜物語』に刺激を受け…と説明はあるが、そんな前置きはなしでこれ単体で読み物として面白い。アラブ、イスラムの勇者をイギリス人が描く。全体に感じられるオリエンタリスム。運命づけられた生まれのタラバ。その為に父を殺され、兄弟姉妹を殺され、母も失い、放浪する。放浪するも、神が見つめる男には、救いの手、悪の手、誘惑の手が次々と差し出される。感動的な叙事詩的作品。死の天使、アズラエルの恐ろしさにゾッとさせられた。死の接吻の冷たさが感じられるようだった。 2017/12/25