内容説明
イスラーム思想史において「フトゥーワ」の理念を扱った古典。イスラーム版『武士道』、初翻訳。ムスリム社会において理想とされる気高い生き方、スーフィズムから、社会の道徳の在り方を論じたものであり、家族、友人、仕事仲間などとのつきあい方などの身近な話題が多い。
目次
第1章 家族、同胞と共に生きること―フトゥーワとは、家族、同胞と共に生きることである。自らの手元に残っているものが水一滴であったとしてもそれを惜しみなく同胞に分け与える者こそフトゥーワを実践するものである。
第2章 己を鍛えること―フトゥーワを実践する者は、心も鍛えなければならない。自我を抑え同胞のために生きる情熱に燃え、同胞の欠点を探すよりも常に自らを省み、アッラーを畏れ敬うことが求められる。
第3章 全てをゆだねること―アッラーのために、アッラーによって、アッラーと共に生きることこそがトゥーワの目的である。自らの望みを全てアッラーにゆだねることが求められる。
第4章 尽くすこと―フトゥーワとは同胞に尽くすことだが、決して現世での見返りを求めたり、恩着せがましい態度をとってはならない。アッラーのために自らの行動を捧げるという意図をもって、初めてフトゥーワは完成される。
第5章 思寵のもとに―フトゥーワを実践する中で自分が感じ、受け取った全てのものにアッラーの恩寵を見出すことが求められる。最後に今まで述べたフトゥーワの徳目が列挙され、終わる。
著者等紹介
スラミー,アブー・アブドゥッラフマーン[スラミー,アブーアブドゥッラフマーン]
ヒジュラ歴325年(西暦936年)に現イランのニーシャープールで生まれる。ヒジュラ歴412年(西暦1021年)に同地で没した。高名なハディース学者、歴史家、クルアーン注釈者である。特にタサウウフ(霊学)において優れた業績を残した。クシャイリーなどの偉大な思想家も育てた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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