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出版社内容情報
ポストモダンの頂点、デリダの“難解さ”を攻略する!
スタンスがはっきりかつコンパクトに表現されている著作を精読し、脱構築、差延、代補現前の形而上学、エクリチュール/パロール、憑在論……といった独自の用語を丁寧に解説。哲学的な細かさと文学的レトリックが多重に絡み合った奇妙な文体を駆使したデリダは、いったい何に“拘り続けたか”を明らかにする。いままで日本で受容されてきたデリダ像を更新する入門講義。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
24
デリダの「精神について」「死を与える」を、そこでデリダが言及しているハイデガーやフッサールなどの原典をたどり、デリダがこだわる語句の使われ方までしっかり押さえながら「地道に」読んでいく講義録。いやはや、なかなかついていけはしなかったのだが、終わりまじか、責任と犠牲のところや声と文字のところだけようやく受け取れた感じ。その脱構築のふるまいは少し垣間見れただろうか…。◇っていうか、各回末尾に出席者との質疑応答が収められているのだけれど、みなさん凄すぎ!憧れるというかなんというか(笑)2019/10/12
まぶたのあるいきもの
7
仏の哲学者デリダの入門書。実際に著者が講義した内容を本にまとめているため大変読みやすい本になっています。(が、簡単ではない)主な内容は『精神について』『死を与える』『グラマトロジーについて』『声と現象』の読解になっています。そのうち 『精神について』と『死を与える』が大部を占めてます。実際の邦訳書にそって丁寧に読解していきます。おそらく日本でデリダの著作をここまで丁寧に解説した本はないと思いますので、大変面白く読みました。2016/05/22
oDaDa
5
「人間は帳尻を合わせるべく自分たち、その祖先が努力したことの「痕跡」を記録し、エクリチュールの中に書き込む。そうやって歴史が生まれる」(p380) 「「パロール」は、対象が目の前にありありとリアリティと共に現れてくる、生き生きと現前している状態と繋がっています。「エクリチュール」は、ロゴスや体系化された知に繋がっています。「音声中心主義」というのは、そうした「エクリチュール」と対比される「パロール」が、人間の思考や活動において中心的な役割を果たしている、という見方です。」 第七回から読むのがよい。2017/05/13
tuppo
4
わかったかと言われると相変わらずわからない。キリスト教のバックグラウンドが理解できて云々というよりこの言葉尻の議論の末にハイデガーやらがどこへ行こうとしてるのかがわからない。その言葉遊びに自覚的で積み上げることじゃなくて壊すことに使ってるアプローチがいいなあ2016/12/04
代理
3
ハイデガーの『精神』の引用符とか、キルケゴールの署名などデリダの着眼点と読み込みのキレが尋常ではない。参照されてる文献の解説や原典の言葉遊びまで説明してくれてありがたい。魅力的な思想家なのはすごく伝わってくるが、やはり解説無しでは読めない…。西欧の知というのは、記号に犯される前の状態を渇望する歴史でもあるだと思った。2016/06/18