原子爆弾 1938~1950年―いかに物理学者たちは、世界を残虐と恐怖へ導いていったか?

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  • サイズ A5判/ページ数 631p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861825125
  • NDC分類 559.7
  • Cコード C0020

内容説明

広島・長崎原爆70年。新資料によって、初めて明らかにされる“歴史の真実”と“人間ドラマ”。1938年、ドイツで核分裂発見。亡命ユダヤ人、独米ソの物理学者やスパイによる国家の命運を賭けた“原爆開発戦争”が始まる。そして…

目次

プロローグ ベルリンからの手紙―発見された核分裂 1938年12月~1939年9月
第1部 物理学者たちの戦い(ウランフェライン―始まったナチスの核開発 1939年9月~1940年7月;足踏みする米の核開発―亡命科学者と政府機関の軋轢 1939年9月~1940年9月 ほか)
第2部 原爆開発競争(兵器としての核物理学―ナチス高官と物理学者の駆け引き 1942年3月~11月;史上初の臨界達成―マンハッタン計画の誕生 1939年9月~1940年9月 ほか)
第3部 戦争と原爆投下(ボーアの先見性―物理学者たちの研究生活と葛藤 1943年11月~1944年5月;漏洩する機密―ロスアラモスのソ連スパイたち 1944年2月~12月 ほか)
第4部 世界に広がる核の恐怖(新たな戦争の始まり―スターリンの焦り 1945年8月~1946年2月;鉄のカーテン―核の国際管理か国家管理か 1945年9月~1946年3月 ほか)
エピローグ 恐怖の均衡―冷戦と相互確証破壊

著者等紹介

バゴット,ジム[バゴット,ジム] [Baggott,Jim]
世界的に著名なサイエンスライター。1957年、イギリスのサウサンプトン生まれ。イギリスのマンチェスター大学で化学修士号を1978年に取得し、そのわずか3年後に、オックスフォード大学の博士号を取得。オックスフォード大学、アメリカのスタンフォード大学の大学院特別研究員として研究活動をしたのち、イギリスのレディング大学の化学講師となった。しかし大学を辞めてビジネスの世界に入り、11年間、石油業界で働いたのち、ビジネスコンサルタント、トレーニングコンサルタント会社を設立した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

8
著者は英国生まれのサイエンス.ライター。本書は、原爆製造に向けた各国と物理学者たちの競争、スパイ活動や拘束、原爆投下にいたる経緯、戦後の冷戦における核競争までの流れをスリリングに描いている。特に印象に残ったのは、イギリスのファームホールに抑留されたドイツ人物理学者たちが、連合国が日本に原爆を投下したと聞かされた後の、盗聴マイクによる会話の記録。なぜ自分たちは出来なかったのか? 科学者の役割? 人間としての道徳的見地? 彼らの内面の葛藤は大変興味深いものがある。 2016/01/14

Mizhology

5
第二次大戦がいかに世の中を変えてしまったかが伝わってきた。それにしても国とは何なのか。科学者達が残酷を生んだのだろうか?副題に疑問が残る。2015/08/26

Yasutaka Masuda

3
8年間も積読本として本棚の肥やしになっていたのだけど、映画『オッペンハイマー』が公開されるので、「このタイミングを逃したら、この鈍器本(631ページ)を読む機会は二度とない」と思い無理矢理通読。 核分裂の発見から始まり、アインシュタインとシラードの手紙、ナチスの原爆開発とそれを阻止しようとする連合軍、マンハッタン計画、ソ連のスパイ、原爆にまつわる政治背景など、原爆にまつわる歴史を時系列に全て網羅。出版当時、立花隆などいくつかの書評で激賞されていたので、原爆に関する歴史書としては決定版なのかもしれない。2024/04/14

デューク

3
「我は死なり。世界の破壊者なり」。1938年の核分裂発見から、マンハッタン計画、原爆投下、そして冷戦の時代まで。原子爆弾がいかに開発され、作られていったかを語るノンフィクション。世界を残虐と恐怖へと導いてしまった物理学者たち。それは史上初めて、科学と倫理とが対立した出来事であった。アメリカ、ドイツ、ソ連と目まぐるしく変わる舞台、膨大な軍事用語と物理用語、600ページを超える分量、どれをとっても軽々しく読める本ではない。それゆえに、原爆開発史の決定版とも言うべき一冊。2016/03/01

Hiroshi

3
「原爆を盗め!」が高校生向けの本だとすると、本書は大人向けの原爆開発史。前者はアメリカの原爆開発とソ連のスパイ活動、ドイツの重水工場の破壊活動に焦点が置かれているが、本書はこれらが詳細化されているだけでなくドイツ側の原爆開発にも頁が割かれている。登場人物も200人を超え、中でも物理学者はパウリ、フェルミ、ボーア、ファインマン、ノイマン、そしてハイゼンベルク...と今では数式や法則にその名を残す学者たちが米独ソそれぞれの陣営に分かれて開発競争に邁進する姿が描かれている。2015/08/06

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