内容説明
膨大かつ難解な『資本論』に対して、明瞭かつ具体的な『共産党宣言』を、世界最新の研究動向を反映させた翻訳、さらには丁寧な注解をつけ、この一冊で、マルクスの未来の社会構想がわかる訳者渾身の画期的な試み。「マルクス」入門としても最適。
目次
資料 『共産党宣言』―ドイツ語初版ブルクハルト版
第1編 『共産党宣言』初版ブルクハルト版(1848年123頁版)訳
第2編 解説編
第3編 『共産党宣言』序文
第4編 資料編
第5編 研究編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isuke
2
図。『共産党宣言』を読んだことがなかったので図書館で何冊か手に取り、いちばんしっくり来た訳を選んだ。字面を追うだけで内容はサッパリ分からなかったが、マルクスが天才であることは感覚として分かった。白川静先生が『孔子伝』で孔子の出自を断言したように、マルクスも冒頭で「これまですべての社会の歴史は階級闘争の歴史である」と断言している。ちなみに、厖大な解説部分は未読。著者・訳者の「あとがき」は読んだ。2012/02/21
Hidekazu Asai
1
初版のブルクハルト版の共産党宣言。 紹介されているその初版本の印刷の文字が、まるで、ドイツ表現主義映画の字幕みたいだ。本書はそうではない。なぜ、共産主義者宣言ではなく、共産党宣言というタイトルに的場氏はこだわったのか。 その、こだわりこそが、共産主義的である。2018/05/10
wanted-wombat
1
膨大な資料や解説により、共産党宣言という短い著作の理解を深めてくれる良著。普通に読むだけでもなんとなくわかった気がしていたが、解説を読むことで見落としや勘違いを思い知らされ、資料から当時の影響や背景をうかがい知ることができる。難しそう、と敬遠している人ほど読むべき。マルクスの思考を考える上で理解はかかせない。2013/06/07