「日本文学」の成立

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  • サイズ B6判/ページ数 508p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861822612
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0095

内容説明

詩歌・戯曲・小説に留まらず神話・伝説から哲学・宗教まで…日本における「文学」概念は、何故かくも広義の範疇を含むか?欧米の「人文学」、中国の「文章学」とも異なるその特性の形成を歴史的・概念的に捉え直しつつ解明する。

目次

序章 東アジア近代の知的システムを問う
第1章 「日本文学」とは何か
第2章 「芸術」の近代的再編
第3章 近代化主義の迷妄から抜け出る
第4章 文学改良と古典評価―その結びつき
第5章 北村透谷の「文学」観―宗教と芸術のあいだ
第6章 幸田露伴の「美術」観―『風流仏』再考
第7章 明治期「言文一致」と「写生」―子規、独歩、蘆花
第8章 象徴主義へ
第9章 「歴史」の歴史

著者等紹介

鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年生まれ。東京大学文学部仏文科卒。学術博士。現在、人間文化研究機構/国際日本文化研究センター教授。総合研究大学院大学文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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あなた

5
テクスト分析に終始していたのではどうしてもみえてこないものがある。そのみえてこないものが極めて重要だったりもする。「文学」という概念の変遷をたどるなどというとてもじゃないが手を出したくないうんざりする作業を鈴木は結構丹念にジャンルを横断しつつやっていると思う。「文学」の系譜学を洗いなおすことはわたしたちがいかにいまここから倒錯して歴史をみているかの自己批判へとつなげていけるはずだ。ちなみに黙読は古代からあったという鈴木の前田愛への批判。ちょっとそこ俺考えなくちゃな。公共空間の整備と黙読の関係性についても2010/08/12

テキィ

2
ふーっ。ちょっと難しかった。文学という概念の再定義から始まって、戦後誤って定義されていた、言文一致運動の意味や、不用意に西欧の近代からの流れに日本を一致させようとしたことに対する誤りの指摘など。後半かなり飛ばし読み。2010/02/20

Was

1
生命主義と明治維新以降の知の制度の再編成を軸にして「日本文学=日本人文学」の概念を抜本的に問い直す。安易な近代化主義や現代思想の援用を退け、「言文一致」も「風景の発見」も「黙読の誕生」もすべて虚妄とぶったぎる。かなり手厳しいが、この本から学ぶべきことが非常に多いのは間違いない。2013/11/28

テキィ

1
難しい。ゲームも日本文学やなぁ。ある意味。2010/02/17

akuragitatata

0
日本文学の成立過程に興味があって読んだ。猛勉強した人の本だと思った。アメリカとも朝鮮、中国とも違う日本独自の文学概念を大学制度から読み解くけど、具体的な名前は帝大しかでてこないし、海外の大学名も出てこない。日本文学は地域研究の一環でもやってたから、宗教学なら神道研究とあわせてやられていた。仏教もそうでは。というか、教育国文だった僕のところでも仏教教理の科目はあった。ねこねこ先生も喝破するように、この仮説は分が悪い。後段で日本の歴史書を論じてるけど、成立と普及はレベルが違うし、諸本研究も視野にいれて欲しい。2017/07/25

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