内容説明
夭逝の鬼才が獄中で綴った、『天皇ごっこ』以前の衝撃の傑作。殺人犯と天才精神科医の息詰まる神経戦。
著者等紹介
見沢知廉[ミサワチレン]
1959年東京生まれ。中央大学法学部除籍。16歳より新左翼に参加し、成田管制塔事件などを闘う。80年より新右翼運動に入る。82年、火炎瓶焼き討ち事件等に連座、12年の刑を受け、千葉刑務所に入所。94年、出所直前に「天皇ごっこ」で新日本文学賞佳作。『七号病室』でコスモス文学賞受賞。2005年9月7日逝去。享年46(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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半木 糺
3
病室における医師との対話は著者である見沢の実体験であろう。『七号病室』はコスモス文学賞受賞作品であり、見沢が始めて世に受け容れられた作品でもある。その意味でも、その後の見沢文学の原点と言える。それにしても本書からは見沢の過剰なまでの「文学への意志」が伝わってくる。文体のテクニックはともかく、今、「書く」という行為にここまで精神を傾ける作家がいるであろうか。2012/02/12
風眠
2
『天皇ごっこ』発表以前、獄中で書いた小説らしい。ほとんど私小説だと言ってもいいのかもしれない。こういうことを常に考えていて、書いてたりしたら、長くは生きられないのかもしれないな、と、ふと思った。作者は夭折している。『七号病室』と『改造』の中編が収録されているが、この2つはお互いに表裏を成す作品となっている。こういう小説は、作者の思想とか価値観に共感できないと、理解は難しいと思う。正直、私には理解できなかった。2012/05/10
hikarunoir
1
我々の知る著者像に、別角度の照射を試みた、獄中の精神科医視点と、事件関係者の女視点の、私小説的獄中小説二編。故に一部重複。2013/07/09
Setora
1
7,80年代の右翼・左翼活動が盛んだった頃の話。獄中にて執筆とあるとおり、作者自身もこれらの活動に参加しており、作中の思想の語り口にどこかしら熱っぽさがある。面白くはあったものの、これは高等遊民の成れの果てを滑稽に描いた小説であり、それ以上でもそれ以下でもないのだろうなと思った。ミステリやSF,ファンタジーにない冥さがあり、通常のノンフィクションにない味を味わえる珍しい小説ではある。2012/10/03
にし
1
ホラー小説かと思ったら違ってた。思想家の本だったみたい。。2012/06/13