内容説明
江戸末期に出家し、明治の社会変革の荒波のなかで新たな布教活動をめざして北海道へ渡った無名の禅僧。原野での布教も檀家制度の囚習に阻まれ、破戒の罪障と新家族のしがらみに苦悩し、悲劇的な一生を終える。葬式仏教から脱しえなかった仏教界の実相を、宗門最前線の開拓僧の立場から描く骨太の伝記小説。
著者等紹介
大森光章[オオモリコウショウ]
大正11年、北海道に生まれる。明治大学中退。「ラマンチャ」「文芸日本」「円卓」「文学界」「新潮」等に作品を発表。「名門」「王国」「培養」が芥川賞候補となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。